食農ビジネス革命を起こす“26歳事業家”が語る「刺激を受けた出会い」
心から尊敬する東北人の先輩との出会い
奥田政行さんは、山形県鶴岡市のイタリア料理店「アル・ケッチァーノ」の伝説のシェフで、別のお店のプロデュースなどを手がけるカリスマ料理人です。きっかけは、2016年から2017年にかけて精力的に参加していた食関係の勉強会です。
当時イベントなどで出会った参加者のみなさんは熱心で、そこからまた新たな友人・知人とのつながりができて、いろいろな勉強会に顔を出しました。奥田政行さんはそうした場のひとつでお会いしたのですが、圧倒的な存在感を放っていらっしゃいました。 仙台出身の僕にとっては心から尊敬する東北人の先輩でもあります。
2017年8月にアル・ケッチァーノや奥田さんがプロデュースするお店を見学させていただきました。厨房と客席を目まぐるしく動き回ってサーブする奥田さんの姿に、料理人としての矜持をひしひしと感じました。
宇宙の営みから見たらほんの小さなこと
アル・ケッチァーノは2000年3月の開店以来、庄内の食材にこだわり続け、その料理を庄内で供するお店です。ここでしか味わえない料理を目当てに全国から訪れる人がたくさんいる、地方でも食文化を発信できるんだ、ということを目の当たりにして勇気をもらいました。
その翌月には僕が主宰した「九州ジビエを味わう会」を奥田さんプロデュースのイタリアンレストランで開催させていただきました。
「誰にも染まらず、誰にも惑わされず、自分が正しいと思ったことを正しいと思ったやり方で、日々起こることは宇宙の営みから見たらほんの小さなこと。でもそこに喜びが生まれたら、それは何にも代えがたいほど大きなこと」──奥田さんが座右の銘とされている言葉にも大きな感銘を受けました。
実は「菜根たん」の店名は、奥田さんに相談して選んでいただきました。奥田さんは料理人として素晴らしいのはもちろんですが、お話からうかがえるその感覚(センス)、勘の鋭さなどに惹かれるところがあり、ぜひお願いしたかったのです。