収入激減後に勉強を始めた

　インタビュー前編では、最高で300万円あった月収が2019年のGoogle検索のアルゴリズムのアップデートで一転し、一時は月収10万円にまで下がってしまったと明かしてくれた亀山さん。その後はどうしたのでしょうか。

「ブログの記事を調整しても、やっぱり検索上位を取り戻すことは難しかったので、2019年後半からは方向転換して、会社をやめたときと同じようにいろいろやってみようと試みました。例えば、美容系のブログを書いていたので、パーソナルトレーナーになることを考えたり、独学でプログラミングやweb制作を勉強したり……。

　ものを売る・広めるという立場の仕事をしてきたので、作る側の仕事にも興味が湧き、デジタルハリウッドに通ってCGを勉強したこともありました。そうしている間にふとしたきっかけでTikTokを始めてみたら、ダイエット系の投稿で1投稿で300万再生まで伸びたんです。

　いろいろ試す中で悩みましたが、ものづくりよりやっぱりマーケティングの仕事のほうが私にとって面白く、向いているのかなと思うようになりました」

軌道修正はどうするか？

※イメージです

　今はInstagramを中心に、暮らしや仕事に役立つ情報を提供するアカウントを運営しつつ、企業と提携してお金に関する「スマートファイナンス」というメディアに関わってライティングや編集を担当したり、企業のSNSマーケティングの仕事にも携わっているそうです。

「収入は、V字回復とまではいかないものの、一度落ち込んだときよりは回復して、今は同世代の平均年収より少し高いくらいになりました。試しにプログラミングやCGをやっていなかったら、自分の好きなものや向いているものが明確にならなかったと思うので、いろいろ試してよかったです。

　うまくいかなくなったときは、こんなふうに少しでも興味を持ったことや可能性があるものをやってみることですね。やってみて、合う・合わないなど感触を確かめながら動き続けていると、道が開けると思っています」

　一生安泰とはいかないフリーランスの仕事。壁にぶつかったときは、自分の可能性を模索するときだと前を向くことを教えてくれました。

＜取材・文・撮影／ツマミ具依＞

【亀山ルカ】
フリーランス5年目のブロガー。ライター。現在は個人の働き方や情報発信、ライフスタイルに関するブログ「フリーランスの暮らし」のほか、スマートファイナンス、株式会社BlueDineの運営に携わる。著書『本気で稼げるアフィリエイトブログ』（ソーテック社）。
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