仮面ライダー俳優・奥野壮が語る「刑務所の制服」を着て実感したこと
ライダーの初回放送を見て絶望
――本作のタイトルは『灰色の壁』ですが、これまでに壁を感じたことはありますか?
奥野:それはもうたくさんありますよ。最初はクラシックバレエですし、そこから「今度は乗り越えていくぞ」と思って始めたのがこの仕事ですが、『ジオウ』の第1話の放送でいきなり挫折しました。
――え? 実際に放送されて嬉しかったのではなく?
奥野:絶望でしかなかったです。嬉しさなんて感じる余裕はありませんでした。「へたくそだな。こんなものを世にさらしてしまった」と。その時は最初の撮影から3~4か月経っていたころだと思います。
これからも壁を乗り越えていく
――仮面ライダーは1年間続く作品です。そこからどうやって改めてギアを上げたのでしょう。
奥野:そんなの見たら、やる気を出すしかないです。自分のダメな部分しか見つからなかったので。これから撮るものはそこを改善しようと。
――辛いと感じても、改善していくために、きっちりご自身の芝居を見たんですね。
奥野:もちろんです。これからもこの仕事をやっていくには、いろんな壁があると思います。今回でいえば、もっと年齢を上に見せたかったですし、強いものを演じる難しさも感じました。
これからもたくさんの壁があると思いますが、自分ひとりで作っているわけではないですし、一緒にお仕事している方々への思いも大切に、そして応援してくださる方の言葉も力にしながら頑張っていきたいです。
作品を観てくださった方の言葉は、ここが良かっただけじゃなく、ここがダメだったといったものも、すべて嬉しく、力になっています。