「子猫連れで出社」できる企業が生まれた深いワケ。仮死状態だった子猫も保護
猫に恩返しがしたかった
「幼い頃からさまざまな動物を飼っていて、猫は今まで20匹ほど育ててきました。いまは6匹飼っていますが、私が仕事で家にいない時間が多いので、子供たち2人にとっては兄弟のような存在です。ずっと猫に助けられてきたので、その思いを少しでも返せたらと思っていました。
そんな思いがあるなか、環境省の『人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト』という犬猫の殺処分をなくすことを目指す取り組みを知って、私も何かできることがしたいと思ったのです」
その頃から保護猫を飼うことに決めた平櫛さん。ただ、仕事をしながら生後間もない子猫を飼うことは初めてで、飼い始めてからあることに気づきました。
社長に提案してみたら…
「成猫は自動給餌器の餌で済むが、子猫は離乳食を数時間おきに人間の手で与えなくてはならず、出勤の日もごはんをあげるために家に帰らなくてはならない。トライアル期間はあるものの保護団体に返したくはないなぁと困っていました。
そこで、社長に環境省のプロジェクトのことを説明したうえで提案してみたのです。社長は社員のいろんな提案を聞き入れてくれる人で、過去に書初め大会やクリスマスパーティーを社内でしたり、ハロウィンのときは仮装で仕事をしたりと突飛なことが許されていました。
なので、もしかしたら猫もいけるんじゃないかと思い、軽いノリで聞いたところ、社長はさらっと『わかった』と言ってくださったのです」