PC・スマホ代は経費になる?副業リーマンの「確定申告のコツ」を税理士が伝授
家賃などの経費計上3分の1限界説は本当?
【A.使用面積や時間などで50%以上も可能】
「家賃や水道光熱費などの一部が経費として認められるのが『家事按分』。一般的に『税務署から否認されない家事按分の目安は3割』とも言われているが、場合によってはそれ以上でも経費として認められます」(大河内氏)
また、大河内氏は「本来、毎月支払っていた生活費の一部が、副業をすることで家事按分して経費にできる恩恵は大きい」とそのメリットを強調する。
「実態が伴っていれば50%以上でもきちんと経費にできます。例えばせどりの副業で、2LDKの自宅で大量の在庫を保管していて、2部屋を使っている場合は、家賃の経費割合が5割を超えても不自然ではありません。
税務調査官があなたの家事按分の妥当な数字を証明するのは難しい部分がありますから。もちろんきちんと説明するために間取り図を用意してプライベートと副業で色を塗り分けるなど根拠を説明できるよう準備をする必要があります」
明確に仕事場と言える部分の確保を
部屋の間取りや振り分け次第で、税務署への説明も説得力を持つ。
「前述したようにスマホはもちろん、その通信費、自家用車関係の費用も使用時間などで割合を説明できれば家事按分で経費にできます。何でも経費にしたいから副業をするのは本末転倒ですが、事業拡大のための支出なら自信を持って計上しましょう」(大河内氏)
明確に仕事場と言える部分の確保、各部屋を応接や作業などのスペースとして活用することが家事按分の割合拡大に有効。「家賃の家事按分50%が可能な間取りの例の図の場合、兼用の応接室をできるだけ長時間かつ継続的に使用していることがポイント」(監修:税理士の大橋弘明氏)
<取材・文/週刊SPA!編集部>
【大橋弘明】
税理士。中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー。500人超の会社員の独立開業や副業を支援。著書に『サラリーマンの副業の税金が全部わかる本』
【大河内 薫】
ArtBiz代表取締役。税理士。芸能・芸術/クリエーターに特化した税理士事務所を経営。Webメディアでの発信を得意とし、YouTubeチャンネルを運営