「どうしたらいい?」とにかく優柔不断な友人のLINEをブロックした男の決断
苦渋の決断をすることに
極度の優柔不断ゆえになかなかマルチ商法から抜け出せない友人。マルチと気づいていながらも働き続けてしまう彼は、いよいよお金に困ってしまうことに。そのしわ寄せは、隆さんにもやってきます。
「友人が、突然神妙な面持ちで僕に話しかけてきました。何かと思ったら、お金を貸してほしいとのことでした。今まで彼が困らないようにと、何だかんだで力になっているつもりでしたが、このままだと僕以外の誰かにも迷惑をかけてしまうと考えました」
友達想いの隆さん。しかし、金銭の工面を隆さんに頼ってしまうほど状況が一変してしまった友人に対し、隆さんは心を鬼にすることにしました。
「その日はとりあえずお金を貸して家に帰りましたが、どうすれば彼に変わってもらえるかな……と、ひとり家で悩みに悩みました。その結果、優柔不断な性格を改善するまで友人のLINEをブロックすることがいちばんだと考えました。苦渋の決断でしたが、僕にすぐに頼れる状況が彼を甘やかしていたのかもと思ったので」
決意を見せた友人はその後…
マルチの泥沼にはまる友人を一念発起させたく、あえて放置することに決めた隆さん。しかし友人も黙ってはいませんでした。
「ブロックすることをLINEで伝えると、途方にくれた友人は相当ショックを受けたらしく、しばらく返事が返ってきませんでした。このまま返事が来ないのだろうと思いきや、数時間後、『分かった。変わる』と頼もしい返事が返ってきたのです。彼にも思うところがあったらしく、彼自身も自分を変えたかったのだと感じます…強い意志を感じました」
不安な表情を見せつつも、お互い合意のもと条件付きで関係を切った隆さんと友人。その後、友人とは音信不通となり、彼の様子は身近に確認できなくなりました。しかしその数か月後、共通の友達から優柔不断だった彼の状況を知る機会がありました。
「その友達から聞いた情報によると、その後、マルチ商法から抜け出し、一生懸命資格の勉強などを頑張った結果、一般企業に就職できたみたいです! 仕事も定まらず、優柔不断だった友人がここまで変われたこと、本当に感動です」
一時はどうなるかと思われていた2人の関係性。しかし、お互いがお互いを思いあったからこそ得られた結果なのかもしれません。
<TEXT/ダイフク>