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1か月を1500円で…貧乏学生だった堀江貴文が語る「金より大事なもの」

ビジネス

残金1500円で1か月をしのいだことも

お金

※画像はイメージです

 とはいえ、そこまで勝率が良かったわけではない。多くの競馬狂がそうだろうが、運良く大勝ちすることもあるけれど、大敗することもしばしば。たとえば、バイト代としてもらったばかりの10万円を1.8倍の単勝馬券に全額突っ込み、見事に大負けしたことも少なくない。

財布に残った1500円で1か月をしのがなくてはいけない」という状況に陥ったときには、塾講師以外の短期バイトなどをしつつ、小麦粉ともやしでお好み焼きを作り、1か月間それを毎日食べ続けた。しかし、不思議と悲壮感はなかった。

 当時の、お金のなかった暮らしがつらかったのかどうかは、よく覚えていない。でも「それはそれで仕方ない」と自分で納得ができていたから、ドキドキソワソワするようなことはまったくなかった。また、現状をあれこれ思い悩むよりは、次のレースの予想に頭も気持ちも向いていた。次のレースの馬券を買うお金を工面する方法を、冷静に検討していたのだ。

 有名になってからの僕には、「拝金主義」というイメージがついて回っているようだが、それはメディアの作り上げた虚像だ。いろんなところで話したり書いたりしているように、本当の僕は「お金はあったらいいし、なかったらなかったで、なんとかなる」という考え方だ。まあ、見ず知らずの人にどう思われても別にいいのだが(笑)。

「お金」の時代から「信用」の時代に

 そう言えばこの頃、コンビニで買い物をしようとして、ちょっと恥ずかしい思いをしたことがある。レジで財布を見たら、所持金が10円しかなかったのだ。「せめて、欲しいものが普通に買えるくらいのお金があるといいな」とは感じたけれど、大金持ちに憧れたことなんて一度もない。

 手持ちのお金が少なくなると、不安になったり、心配したりしてメンタルが弱くなる人がいるかもしれない。僕は元ギャンブラーだから、そんな気持ちはもちろんわかる。でも、所持金の額に応じて気持ちを乱高下させるなんて、心のエネルギーがムダすぎやしないか。

「お金は、あればあるほどいい。でも、なければないでいい」いったんそう腹を括ると、いろんなことがラクになる。それに、もう「お金」の時代ではなく「信用」の時代だ

 たとえば、事業を興すために資金が必要となったら、周りの人からの信用によってお金を借りたり、クラウドファンディングで資金を集めたりすることもできる。今や「お金がないからできない」というフレーズは言い訳にもならない。

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