赤字の巨大企業を“ベンチャー魂”で蘇らせた男
日本を代表する住宅設備メーカーLIXILは、2016年にある男性を社長に迎え入れました。
その名は瀬戸欣哉さん(58)。工業用間接資材の通信販売「モノタロウ」の創業者で、わずか9年で東証1部上場を果たした凄腕の経営者です。8月23日放送(テレビ東京)の『カンブリア宮殿』では彼の手腕が紹介されました。
東大卒の文武両道サラリーマン
瀬戸さんは1960年東京都出身。
幼い頃から文武両道で、学生時代はバスケットボールやボクシングに打ち込んだスポーツマン。東京大学経済学部卒業、住友商事に入社しました。その後、デトロイト支社に赴任し、1996年に米ダートマス大学でMBAを取得しました。
留学中に、創業して間もないAmazonを知り、衝撃を受けます。彼は当時の衝撃について番組内で次のように語ります。
「Amazonは今ほど高い評価は受けていなくて、いろいろなアイデアのひとつという感じでしたが、私はものすごくショックを受けて『これはスゴい』と思った」
アマゾンを参考に「モノタロウ」を創業
彼はすぐに行動に移し、Amazonを参考にして2000年にアメリカの資材流通会社と住友商事で合弁会社「住商グレンジャー」を設立し、「モノタロウ」という企業向け資材販売サイトを創設しました。
ただ、最初から経営が上手くいったわけではありません。大企業に営業に行っても相手にされないことも少なくなかったようで「これはもう『もう破産に近い』という時はありました」と番組で語っています。
さまざまな試行錯誤のなかで、中小企業向けにFAXでチラシを送ったところ、反応が良かったため、中小企業向けの商品を数多く揃え、Webサイトの検索を商品名が分からなくても買えるようにイラストから探せるようにしたり、少ないロットでも迅速に対応できるようにしたりするなどの改善をしました。
その結果、創業から9年で、東証1部上場を果たし、年商800億円の企業に成長させました。