若者の車離れを防ぐ?ペーパードライバー講習に“運転4年ぶり”20代記者が挑戦
育成目標は「一般ドライバー」レベル
その後、都心の市街地道路での練習が始まった。路地練習の基本は踏襲しつつ、絶え間なく行き違う対向車・自転車・歩行者など、新たな要素に気を配りながらの練習となった。
ただ、路地で練習をしてきたこともあり、運転は市街地のほうが楽に感じられた。道幅も広く、見通しがいいからだろう。これは狙い通りのようで、「運転操作に手いっぱいの状況では対向車や障害物のケアが難しくなるので、運転を楽に感じられる状況でないと市街地は走れない」とのことだった。
指導を受けるうちに、教習所での教え方と一般ドライバーの慣習には少し異なる点があることも分かってきた。例えば、「常時キープレフト(左寄せ走行)で走るドライバーは見かけない」「ポンピングブレーキ(複数回に分けてのブレーキング)を行っているドライバーはいない」などだ。
教習所との違いは「実践的な指導」
この点を川内さんはこう語る。
「教習所の指導は『原則論』がベースなので、実践では役に立たない内容もあるのが現実です。大切なのは周辺の状況に合わせつつ、『安全』かつ『円滑』に走行することなので、実践につながる指導をすることが教習所との違いです」
結局、市街地では2時間弱練習し、「運転が安定してきた」との評価をもらった。ただ、
・横断歩道の歩行者を見逃す
・危ないタイミングでの飛び出し
・右折時にショートカットする曲がり方をする
など、「ヒヤッ」とする瞬間もあったので、補助ブレーキのある車でプロに同乗してもらえたのはありがたかった。
市街地走行を安定させた後は、交通量が多い幹線道路を走った。標識や信号、車線の複雑さもけた違いで、車線変更の必要もあるなど、走行難易度は高い。筆者も最初は戸惑ったが、慣れていくと安定してきた。最終的には、川内さんが「日本一難しい」と語る大手町や日本橋付近の幹線道路も、動揺することなく走れるようになった。