社長失踪、負債59億円で「全店閉店」のパン店が復活。新オーナーに“計画倒産説”を直撃
ベルベは店舗の一切の権利を破棄した
――ネットでは「ベルベのロゴの入った袋やばんじゅう(パンを入れる箱)を引き継いでいるのはおかしい」といった声も見かけました。
小嶋:ベルベには店舗の一切の権利を破棄してもらったので、店舗内にあるものは大家さんのものとなりました。備品はその上で大家さんの許可をとって使用しているものです。現在、リベルベのショップ袋を製作中なので、出来上がったらそちらに移行する予定です。
――今後の展開予定を聞かせてください。
小嶋:基本的には、ベルベの居抜き店舗で展開していこうと思っています。現在、ベルベ元店舗やそれ以外の物件の大家さんからもオファーをいただいているのですが、自分たちのできる範囲で広げていくつもりです。
また、今後の新事業として、ベルベの頃からの目玉商品であるスイートポテトをEC販売しようと思っています。SNSで「EC販売をしてほしい」という声を見かけたのがきっかけです。実際、リベルベをオープンしてから、毎日100個がお昼には売り切れてしまうほど反響をいただいているので、お客様の声を反映していきたいと思っています。
“嘘のないパン”を守り続けたい
――オープンを決めたときもそうでしたが、SNSの情報をまめにチェックされているんですね。
小嶋:はい。SNS上だと店舗では聞けないお客様のリアルな声を聞けるので、参考にしています。
――最後に、今後の目標を教えてください。
小嶋:ベルベの頃から掲げていたキャッチコピー「嘘のないパン」を守り続けていきたいと思っています。これは、冷凍生地などは一切使わずに、店舗で粉と水から作っている、ということ。手間はかかるけれど品質と味には妥協しない、という気持ちが込められています。
パン作りにおいては、ベルベの仕事は誇れるものだと思っているので、リベルベでも受け継いでいきたいです。経営に関しては、隠し事のない、風通しの良い運営をしていくつもりです。今後もリベルベの応援をよろしくお願いします。
<取材・文/阿形美子>