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ニトリが「利益率の悪い島忠」をなぜ高値で買収したのか?1年経ってわかった理由

ビジネス

島忠の立地は家具を売るにはうってつけ?

ニトリ

 ニトリは家具の販売チャネルを広げる必要がありました。そこでホームセンターに目をつけたのです。島忠は首都圏を中心に60店舗(HPより。2020年8月末時点)を展開しています。

 一口にホームセンターといってもブランドごとに傾向があります。コメリは農家に向けた農業用品に強みがあり、建デポを買収したコーナン商事は建築資材を多く取り揃えています。ジョイフルホンダは作業着や工具などプロ向けの品ぞろえに定評があります。

 その点、島忠は一般消費者を主要なターゲットとしており、郊外よりも都市部への出店を強化していました。ニトリのプライベートブランドの家具を販売するにはうってつけなのです

集客力の強さも大きな魅力

 しかも島忠は1店舗あたりの売上高が大きいのが特徴です。ホームセンター業界の平均は8億円なのに対して、2020年8月期は25億5900万円。集客力の強さは島忠の大きな魅力のひとつです。

 ニトリは島忠の統合店舗である「ニトリホームズ宮原店」を2021年6月にオープンしました。ヒートアップした買収合戦の結果、子会社化した島忠でどれだけシナジー効果を出せるのか。ニトリの挑戦が始まりました。

<TEXT/中小企業コンサルタント フジモトヨシミチ>

外食、小売り、ホテル業界を中心に取材を重ねてきた元経営情報誌記者。現在はコンサルタントという名の中小企業経営者のサンドバッグ役を務めるかたわら、経済の面白さを広く伝えるため、開示情報を分析した記事を書いている。好きな言葉は美食家・北大路魯山人の「硬め、麺少なめ、ニンニクマシマシ」

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