建物の老朽化、ヤクザが出入り…“腐動産”リゾートマンションが激増するワケ
リゾートマンション再生の道はあるのか?
“腐動産化”するリゾートマンションは再生できないのか。前出の榊氏は、こう道筋をつけた。
「越後湯沢はコロナが収束してインバウンドが戻れば、再生していく可能性が高く、価格は底を打ったのではないか。越後湯沢や苗場は雪という観光資源があり、東南アジアの人々にとっては魅力的なエリアです。
また、コロナの影響で2年も海外旅行に行けなかった日本人富裕層もリゾートマンションに手を伸ばしており、すでに熱海では物件価格が戻りつつある。熱海では若手の市職員がフィルムコミッションをつくり、映画やテレビドラマのロケを誘致し、観光地としての魅力を取り戻した。その結果、リゾートマンションを購入する人も増えています」
リゾートマンションを扱う業界では、新たな動きもある。都内の不動産業者はこう明かした。
「業界ではリゾートマンションを改築したホテルが人気です。高級ホテルでも大枚をはたかないと広い部屋に泊まれないが、リゾートマンションはもともとバブリーな造りで部屋が広く、大浴場など高級旅館顔負けの豪華さ。ホテルとして営業する以外にも、民泊にする手もある。民泊は法律で年間180日以上運営できないが、ウィークリーマンションなど通常の賃貸事業と併用すれば十分収益化できます」
再生の道は確かにあるようだ。
<取材・文/齊藤武宏 山本和幸 取材/大田栄作 写真/朝日新聞社>
【榊 淳司】
住宅ジャーナリスト。首都圏を中心に新築マンション建築現場を年間500か所以上調査しリポート。近著『激震!コロナと不動産』(扶桑社)ほか著書多数
【別所毅謙】
不動産管理コンサルタント。BMK(別所マンション研究所)代表。分譲マンションの管理組合に対するコンサルティングを主軸に、総合的なソリューションを提案