建物の老朽化、ヤクザが出入り…“腐動産”リゾートマンションが激増するワケ
80戸を1円で売却!?訴訟に発展するケースも
老朽化したマンションは大規模修繕が必要だが、居住者の質が悪ければ滞納で積立金が不足し、修繕はできない。残る道は取り壊すしかないが、解体を巡って訴訟に発展しているケースもある。石川県・能登のヴィラ千里浜ガーデンの管理組合理事・加藤澄男さん(76歳)はこう憤る。
「日本海からの塩害で建物の傷みが激しいうえに、築44年で耐震基準を満たしておらず、県からは『補強による対処は困難』と診断され、マンションを建設した川田工業から解体するよう助言されました」
「川田工業は全164戸のうち80戸を所有しており、管理組合は協調して解体の準備を進めていたが、突然、同社は80戸を不動産会社のS’PLANNER’S(以降、S社)にわずか1円で売却したのです。そして、S社はほどなくして宅建業を廃業し、大阪市内の男に会社ごとマンションを譲渡していた」(加藤さん、以下同じ)
「係争中なのでコメントできない」
「さらに奇妙なことに、マンションを売った側の川田工業が、1円で買ったS社に『補償金』と称して1億円を支払っていたことがわかったのです。川田工業が住戸を手離せば、1億円超といわれる解体費の応分負担や、管理費の支払いを免れることができるので1円でも売れれば厄介払いができると踏んだのでしょう。S社に支払った1億円は厄介払い料と見ています。
ただ、今もマンションを所有している私たちにとっては、このままでは解体することもできません……。建物の傷みが激しいので、地震でも起きたら周辺は大変なことになりかねず心配です……」
川田工業は『週刊SPA!』の取材に「係争中なのでコメントできない」と回答している。リゾートマンションの多くはバブル期に建設された。今後、日本各地で“腐動産”化する物件が激増するのは間違いない。