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創業100周年の象印マホービン、「おしゃれ家電」に見た活路。累計37億円超の売上に

ビジネス

2年でシリーズ累計37億円超えに

象印

「STAN.」シリーズには象印を象徴する「象のマーク」が、商品に施されている

 STAN.のターゲット層である20~30代の社内メンバーを集め、チームの規模を拡大させながらブランドの育成に取り組んだそうだ。

「クリエイティブユニットの『TENT』さんをはじめ、社内外のさまざまなメンバーの力を借りながら、レシピブックやパッケージ、カタログ、Web媒体の作り方、プロモーションの仕方などを一緒に取り組んできました。幸いにもSNSユーザーに訴求しやすいプロダクトだったので、SNS映えするような発信がしやすかった。

 そのおかげで、SNSからブランドを知ってくださり、興味を持っていただけるお客様が多かったんです」

 かくして、STAN.の持つインテリアや暮らしにも馴染むデザインが好評を博し、発売開始から2年でシリーズ累計37億円を超える売り上げ規模まで成長したのである。

コロナ禍でおしゃれ家電のニーズが

 コロナ禍で生活家電の消費者志向が変わるなか、家の暮らしを豊かに彩る人が増えている。このような状況から、インテリアを構成する上で大事な要素であるデザインにこだわった生活家電も多く発売されるようになった。そんななか、堀本氏は「お客様の目が肥えてきている」と所感を述べる。

「今回のコロナ禍で、ライフスタイルに馴染むようなおしゃれな家電を求める流れが加速していると感じています。とりわけ、食に関連する家電のニーズは高まっていると思います。STAN.は市場の中で『デザイン家電』に位置付けられる商品ですが、あくまで『暮らしに寄り添えるおしゃれな家電』として、ブランドの魅力が伝わるようにしたいと思っています」

 以前は、お店で目立つような商品や高級感を連想させるものを要求されることが多かったそうだが、今の時代背景に合わせ、いかに暮らしに馴染むようなデザイン性のある商品を出すかを意識しながら、堀本氏は日々仕事に従事しているそうだ。

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