100億円市場の大麻由来「CBD商品」の裏側。ブームで違法な業者も野放しに
新たな「脱法的カンナビノイド」も
実は、THCをめぐる議論をよそに、新たな脱法的カンナビノイドも日本にまん延し始めている。
「THCに似た構造と効能を持つHHC(ヘキサヒドロカンナビノール)のVAPE(電子タバコ)はハイになれるうえに、法の適用がないんで、一部の“愛用者”から人気を集めている。規制される前にHHCで稼ごうと考えています」(前出・30代男性)
CBDは市民権を獲得しつつあるが……グレーな業者には要注意なのだ。
医療での大麻解禁。「CBD議連」も発足
CBDを広く活用できるように――国内の法規制の見直しを目指して、2021年6月には「CBD議連」(カンナビジオールの活用を考える議員連盟)が発足した。前述のとおり、抽出部位や含有成分規制など、CBDを取り巻く法規制はさまざま。法の枠組みを整え、健全な流通を促すことが同議連の目的だ。
事務局長を務める松原仁衆院議員は次のように話す。
「私がCBDを知ったのは、元厚労省幹部から『CBDがてんかんの治療に有効らしい』という話を聞いたことがきっかけ。アメリカでは、てんかんの治療薬に用いられている例もある。ところが、日本では医療分野における大麻の使用は禁止されている。それについて河村さん(建夫・前衆院議員/CBD議連前会長)に話したら、『議連をつくろう』となった。
CBDはリラックス効果から睡眠障害などにも有効なんです。私の女房も寝る前にCBDクリームを使っていました。だから、医療分野での活用にとどまらず、広くCBDが活用されることを目指して適切な法規制について考えていこう、というのが議連の目的です」