100億円市場の大麻由来「CBD商品」の裏側。ブームで違法な業者も野放しに
2021年のコスメ市場はCBD特需に沸いたという。海外セレブやアスリートの間で広まり、日本でもモデルやアイドルまで愛用し始めて人気に火がついたのだ。だが、そのブームに便乗して麻薬成分を含有した製品を売るグレーな業者もあった……。医師や起業家、政治家など各界の識者に話を聞いた。
オイル・クリーム・化粧品…違法なCBD商品も
「海外セレブも愛用!」などの謳い文句で、昨年以降、急速に日本でも広まった大麻由来のCBD(カンナビジオール)オイルや関連商品の数々。大麻の響きに抵抗を覚える人もいるだろうが、海外ではさまざまな自己免疫疾患に効果を発揮する成分として広く知られている。
医師で臨床CBDオイル研究会代表の飯塚浩氏が話す。
「人は内因性カンナビノイドというマリファナに類似した作用と構造を持つ物質を持っており、それを介して食欲や免疫、感情、老化、認知などのさまざまな機能を制御しています。これが低下すると恒常性が損なわれ、心身に不調をきたしてしまうのです。
そこで注目を集めたのが、植物由来の代表的なカンナビノイドであるCBD。摂取することで内因性カンナビノイドの機能低下を補うことができ、抗酸化作用や抗炎症作用、免疫調整作用が働く。海外では難病の治療薬として用いられており、医療目的の大麻使用が禁じられている日本でも難治性てんかんの治療用にCBDを使ったエピディオレックスという薬の治験が近々始まる見込みです」
創業4年で毎年売り上げは2.5倍ずつ増
CBDはその作用の高さから、健康な人でも飲めばリラックス効果が得られるほか、肌に塗ればシミ、しわ、くすみの改善効果が得られるという。おまけに副作用がないため、オイルや吸入摂取用リキッド、クリーム、シャンプー、エナジードリンクや食品にまで幅を広げているのだ。
CBD専業ベンチャー、ワンインチの柴田耕佑社長(@oneinch_ceo)も次のように話す。
「当社はCBD製品の開発を進める企業への原料の提供やオイルなどの小売りを行っていますが、創業4年で毎年売り上げは2.5倍ずつ増えています。近年では企業とのコラボ商品開発の需要が高まっており、宇田川カフェさんが販売しているCBDビールも当社が協力した製品。
いまだ国内のCBD市場は100億円程度ですが、大手企業の参入が本格化すると5000億円規模に成長してもおかしくはありません」