女優・徳永えり、“道に迷った”時期に得た答え「仕事と自分を同じ軸に置かないで」
「自分にはBもCもある」が自信に
――自分自身が仕事に付随している感じでしょうか。
徳永:仕事と自分が完全に1本の道でした。一度、この仕事ではないところに、自分を置いてみようと。結果、すごく楽しく幸せな時間を過ごせました。そして「あ、こっちでも生きていけるんだ」と思ったんです。それで逆に「今は女優として求めていただいているのだから、求められている限りは頑張ろう」と思えました。
自分にはBもCもあるのだからと。仕事と重なっていた自分を分けることができて、どこに行っても自分は自分なんだと、自分でいるための自信が持てるようになったんです。さらにその後の出会いなどもあって、肩の力を抜いて、違った心持ちで仕事に向かえるようになり、楽しいと感じられるようになりました。
仕事と自分を同じ軸に置かないで
――今現在、モヤモヤしてしている人に何かアドバイスはありますか?
徳永:仕事をどう捉えるかですよね。仕事は楽しいものじゃないというのも一理あるし、仕事は仕事で割り切るのも大正解。趣味の延長だという人もいます。どちらも間違いではないと思いますが、それがその人に合っているかどうか、それでバランスが取れているかが重要だと思います。私としては「仕事と自分を同じ軸に置かないでください」という考えを伝えたいですね。
――ありがとうございました。最後に「自分探し」の物語である本作を、徳永さんがご覧になっての感想を教えてください。
徳永:変な言い方ですけど、監督に「なんか良い映画ですね」ってお話ししたんです。イチモツが逃げたというすごい入り口から始まるのですが、描かれるのは、主人公が自分のやってきたことを見つめ直したうえで、これからどう生きていくのかということ。
それも単に彼が「自分探しを終えました」という感覚じゃなく、人と人との繋がりをちゃんと経て、彼が学んでいく姿を感じられるので、素直にいい作品だなぁと思いました。楽しんでください!
<取材・文・撮影/望月ふみ ヘアメイク/尾曲いずみ スタイリスト/道端亜未>