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女性活躍=「子持ち既婚女性」優遇?働きやすい社会に必要な3つのシフト

ビジネス

企業が意識すべき3つのシフト

 とはいえ、いくら私たちが常識を疑ったところで、政府や官公庁や企業側が本気で着手しないことにはなにも始まらない。経営層の意識を変えるための手段として「私は経営層向けの講演では『3つのシフトの後押しと投資を覚悟してください』と伝えています」と話す。

「1つ目はデジタルワークシフト。ペーパーレス化やテレワーク化といった様々な業務をデジタル化することにより、業務時間の大幅な削減だけでなく、場所や時間に縛られない働き方が可能です。また、デジタル化によって場所の垣根を超え、他県の新規顧客の獲得も期待できます。IT化に伴う投資を行い、ハード面・環境面の整備が必須です。

 2つ目はスキルシフト。前回お話ししましたが、デジタル化を前提とした働き方は従来の働き方と違ったマネージメントスキル・コミュニケーションスキルが求められます。『どのようにチームのモチベーションを高めるのか』『どのように意思決定をするのか』といった特有のスキルが求められるため、管理職や従業員への投資も必要不可欠です。

 3つ目はマインドシフト。結局は気持ちの部分が一番大きいです。経営層はもちろん、従業員にも『みんな同じ職場で週5日8時間労働を当たり前』というマインドを改めることがスタート地点であり、最重要課題になります。

 もちろん、労働法や税制や社会保障制度を始めとする法律にもそろそろ変わっていただかなければいけませんね。いままでのルールもまた“週5日×8時間(以上)人を働かせる”ことが前提で成り立っていました。その意味では、政府や官公庁の方々もマインドを変えていただかなければなりません

景色を変えると考え方も変わる

転職 仕事

 20~30年にも及ぶデフレから抜け出せていない状況下であるため、デジタルワークシフト、スキルシフトに投資することは容易ではない。とはいえ、人の気持ちを変えることはとても難しいため、マインドシフトが一番の障壁になるだろう。

 沢渡氏は「まずは景色を変える。例えば、テレワークは『これまで職場でやっていたことを場所を変えてやる』という取り組みですよね」とマインドシフトにアプローチするための手段を紹介する。

「デジタル化すれば景色は簡単に変えることができ、『デジタルのほうが楽だよね』『今までなんで毎日通勤してたんだろう』という気持ちになります。このように景色を変えることは意識を変えるキッカケになるでしょう。まずはデジタルワークシフトに挑戦すれば、マインドシフトを変える機会を与えます」

どこでも成果を出す技術 ~テレワーク&オフィスワークでなめらかに仕事をするための8つのスキル

どこでも成果を出す技術 ~テレワーク&オフィスワークでなめらかに仕事をするための8つのスキル

10年以上、大企業でもフリーランスでもテレワークを実践してきた著者が、持てるノウハウを集大成。オンラインでもオフラインでも生産性を上げるのに必須のスキルと身につけ方を教えます

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