富士そばマニアが選ぶ「2021年心に残った珍そばメニュー」ベスト5。異色コラボも
4)ゆで太郎版カレーかつ丼:富士そばとは趣が異なる1品
ライスを覆いつくすカレーの海。大洋のど真ん中には、地殻変動で浮かび上がったかのようなかつとじがどっしりと君臨している。これぞ「カレーかつ丼」(680円)。多くの店舗で取り扱われている、富士そば名物のひとつである。
そんなカレーかつ丼が、なんと富士そばと競合関係にある「江戸切りそば ゆで太郎」でも販売されることに。日本そばチェーンのゆで太郎は、主に直営店を展開する信越食品とフランチャイズ店を展開するゆで太郎システムズの2社が運営。カレーかつ丼が登場したのは後者の店舗である。
ゆで太郎版カレーかつ丼は、カレーライスとかつとじが別居しており、富士そば版よりも幾分かまともなビジュアルになっている。カレーソースはマイルドな味わいで、刻み海苔の風味も上品。同じコンセプトでありながら、作り手によってこうもアプローチが変わることに感心させられる。
両社の信頼関係を示した友好の証
筆者が食べた店舗は、東京都千代田区にある淡路町店。店頭の立て看板でもカレーかつ丼を大々的にアピールしており「仲良しの名代富士そばさんから人気メニューをパクリ!!」と、大胆不敵なパクリ宣言。
そうなのだ、何を隠そうゆで太郎システムズと富士そばを運営するダイタンホールディングスは懇意の関係にある。メディアで社長同士が対談したり、コラボ記事に登場したりするなど、これまでにさまざまなクロスオーバーが実現しているのだ。
ゆで太郎版カレーかつ丼は、両社の信頼関係を示した友好の証。今回のテーマで取り上げるべきか悩んだが、富士そば史に残る珍事なので紹介させていただいた。