日本のネットショップ、大半は全く売れてない。ECの成長をはばむ“おじさん経営者”の壁
ECサイトにお金をかけたがらない企業が多い
「良い自社ECサイトを作れるかどうかは、経営者がいかに本気でネットショップをやろうとしているかにかかっています。まず、自社ECサイトは集客が必要で、そのためには投資が必要です。しかし、リアルな店舗だと経費を使ってチラシを撒いているのに、ネットだと経費をかけたがらない企業が多いんです。これは経営者の考え方に依存するので、難しいところです」
経営者によっては「ECサイトは簡単に作れる」と考えている人も多いという。
「サイトさえできればお客さんがきてくれるだろうという経営者が多いため、売れない自社ECサイトが次から次へと生まれてしまう。集客もしないで、素人が撮ったような写真をサイトに掲載していたり、カードが使えなかったりすると、まず買おうと思わないですよね。
ネットショップが作れる人材は探しやすいですが、サイト制作からマーケティングまで全部1人に任せてしまうような企業が多くあります。本来であれば、ネットショップを作る人にマーケティングは無理なので、それぞれのパートに専任者が必要です」
大手モールと自社サイトの違い
大手モールと自社ECサイトの違いとはなんなのだろうか。
「楽天市場やAmazon自体に集客力があるので、売りやすいですよね。大手モールで出品した商品が売れてくるとモチベーションも上がって、写真を取り直すなど成長していきます。自社ネットだと集客も自分でやらないとならないので、モチベーションを保つのが大変です」
一方で、Amazonや楽天市場で買ったものに対して、知り合いから『どこで買ったの?』と聞かれたら『Amazonで買った』『楽天で買った』と答える人が多いですよね。ブランドで答えない。つまり、大手モールに出店すると、自社のブランディングができないデメリットがあります。
あと大手は顧客リストが開示されません。その点、自社ECサイトは顧客と直接つながれて、新商品などの案内もしやすくなります。ものを売る側にとって、顧客リストは大きな財産なんです」