時間はある公務員だからこそのジレンマも

　苦しい姿を見るに見かねて、助けになってくれる親族もいるそうです。

「母方の祖父にお米を送ってもらっていて、食費を抑えられるので助かっています。でも、おかずは抜いて、ふりかけ程度ですますことも多くて……。結果的に炭水化物ばかり摂っているので、新卒の時から20キロ近く増えてしまいました」

　返済が苦しいのは、公務員という職業だからこその事情もあると言います。

「残業は少ない部署なので、時間はあるのですが、公務員は法律で副業が禁止されているため、今以上に収入を増やす手段がないのが厳しいです。なりたくて就いた仕事ですし、辞めたくはないですが、父の返済が止まった時には転職することも考えなければなりません」

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　給料日には本来であればまとまった額の貯金があったはずの通帳を眺め、ため息をつくばかりだという三谷さん。人生何が起こるかはわからないとはいえ、実の父親に足元をすくわれることになるとは……。彼女の人生が好転することを祈るばかりです。

＜取材・文／和泉太郎＞