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ラブホテルのフロント業務からガテン系に転職した27歳女性「経験は無駄にならない」

コラム

体を動かすのは単純に気持ちが良い

転職

「最初の頃は現場の空気に馴染めなくて、今週でやめよう、今週でやめようといつも思っていました(笑)。でも、意外なことに少しずつ楽しくなってきたんです」と語る瀧本さん。なにが彼女の気持ちを変えたのでしょうか。

できなかったことができるようになっていくのが、楽しかったのかもしれません。荷物の扱いがだいぶ上手くなったと思います。軽いものは素早く手だけで機械的に流したり、腰を落として持ち上げたり、重力や反動やテコの原理を利用したりと、自分の体を上手に使えるようになってきたんです。

 そして、体を動かすのは単純に気持ちが良いことだと気付きました。私は今まで、肉体労働を意識的に避けてきましたが、仕事を終えると疲労感と共に清々しさを感じられるんです。また、私の描ける漫画の幅も広がったと思います。経験は無駄にならないですからね

 初めはコロナで仕方なく転職先を探した瀧本さんでしたが、意外にも今は新たな環境で充実しているようです。転職や失業は、人の人生を大きく変える。もちろん、自分から望まない限り、あまり喜ばしいものではないでしょう。しかし、瀧本さんの例のように、それまでの人生や価値観を変える新しいチャンスにもなるのかもしれません。

<取材・文/緑川アイラ>

-[コロナ禍の困った転職]-

早稲田大学第二文学部卒業、ADHD、プロボクサー。5戦全勝で日本タイトル戦に挑むも敗北。発達障害者としての半生を赤裸々に綴った著書『ADHD女子革命』をKindleストアで発売中

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