東洋水産「赤いきつね」、値上げの衝撃。海外即席麺事業は好調に推移も
東洋水産「ホワイト/ブラック度」判定
東洋水産:★★★★★
起業時の事業を生かしつつ、新たな事業の軸を国内外で主軸に据えることに成功している企業です。業績面でも、原材料費の高騰は気になるものの、それ以外は製品開発力も高く、気になる点はありませんでした。海外進出も、現地の事情を考慮しながら進めており、安定感があります。
今回調べてみて特に印象的だったのが、川崎工場の閉鎖に関する労働判例でした。従業員への説明や、代替案の提示について、裁判所が「企業の対応として充分である」と判断するための例証をきちんと積み上げていたことです。
特に、判決が出された2002年前後は世論としても、企業の従業員の労働環境に注目されることはそう多くなかった時期です。
「注目されるようになったから」体制面に手入れをする企業がそれなりに多いなかで、「注目されるようになる前」から裁判所に認定されるような証拠を出せるよう、合理的な基準を設け、実際に動けている点は評価すべきと思いました。
今回は、業績および各種ニュースを勘案して「顧客から見えにくいところも丁寧に対応している企業体質」と判断しましたので、最終的な評価は★5としました。