「付き合うべき人脈」は3か月で判断。人事のプロが教える、人間関係の築き方
オンラインサロンを活用するのもアリ
今の会社や以前所属した会社にアルムナイがない人もいるでしょう。その場合は、出身大学、県人会、趣味の会など、過去の自分に縁があった場所であれば、信用社会は成り立ちます。現在活躍され、国内外で認められている人は何人かはいるものです。社会人大学院や、有名ビジネスパーソンの私塾も良いでしょう。卒業して活躍している人の質や数を見れば、どんな人脈を築けるか想像がつくものです。
最近では、オンラインサロンも出てきました。オンラインサロンを活用するのもアリですが、その質はバラバラです。入るのであれば、1つだけでなく、複数入りましょう。思想の偏りを防ぎ、参加者のレベルを客観視しながら学習し、つながりを広げていくのが正解です。
過去だけではなく、今から発生する小さなご縁も、ある一工夫でストックしておくことが可能です。別れ際に「今度、〇〇さんと何かご一緒したいですね」と一言かけるのです。この一言は、後味を引かせる魔法です。Yesしか出口がありません。結果、相手に「将来、この人とご縁があるかもしれない」と潜在意識に刷り込むことができます。
相手があなたに不快な思いさえなければ、ポジティブでゆるいつながりをストックできます。
「ご縁」をつなぎストックする魔法の言葉
でも、「何か一緒に」の約束が果たされることなどめったにありません。ほとんどが、社交辞令だからです。具体的に行動に移すには、コツが二つあります。1つは、ハードルを低く具体的にすることから始めることです。たとえば、「今度、ランチをご一緒したいですね」はいかがでしょうか? 事業の立ち上げの話はハードルが高すぎて、社交辞令の印象を与えます。
一方、ランチくらいならハードルも低く、実現度は高いです。結果、ランチで実際に直接話をする機会をいただいたことで、より深いご縁や関係につながる確度が高まります。もうひとつのコツは「あのイベント、一緒にいきませか?」など、具体的なお誘いをすることです。次の約束をとりつけやすくなります。このアプローチは、パーティ、業界の会合、飲み会、採用面接、どの場面でも活用できます。
某有名IT企業のCIOの友人は「このエンジニアはぜひ採用したい」と思った時、必ずこのアプローチをするそうです。半年に1回くらいランチか飲みに誘い、毎回最後に「こんなことしようよ」と繰り返し具体的な未来を一緒に考えることで、近い将来確実に採用できると言っているくらいです。
転職の面接官に「合否に関係なく、〇〇さんとご一緒できたら嬉しいです」と結んでおくと好印象を与えることができます。転職せずとも、同業の狭い世界では、いつどこで違う形でつながるかわからないので、一緒の未来を匂わせておくことは得策です。SNSの時代こそ、友達の友達は、皆友達なのです。
<TEXT/松本利明 人事戦略コンサルタント>