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副業で先輩・友人と楽しくカフェ経営のつもりが…まさかの大誤算

コラム

 新谷さんはこう続けます。

「そのうち、40代営業マンのグループから、立て直し案としてコックを雇う提案がされました。

 本格的な料理を出せば、恵比寿という地の利も手伝って、貸し切りパーティーはもちろん、平日もランチを提供できるから売上にも貢献できると説得されました」

こだわり派のコックに四苦八苦

料理人 コック

 ところが、ここでコックを雇ったことが大ピンチを招くことに……。

「30代半ばのイタリアンのコックは、こだわりが強くて、食材はもちろん調味料まで一流のものを選んだため、1か月後には経費が売り上げを上回るようになったのです

 飲食の素人である僕たちもさすがに『ヤバい』と感じて、コックを辞めさせるように、40代の営業マンに嘆願しました」

 ところが「パーティーの予約を開始しているから」という理由で、40代営業マンはコック雇用を続行させようとしたのです。

「そこで僕たちが『材料は僕たちが買い出しする』と申し出て、スーパーで買った安い食材をキッチンに運ぶと、コックがキレてしまって、そのまま辞めてしまったのです」

 パーティー当日にコックがいない、そんなまさかの事態に途方に暮れていると、40代の営業マンが新しいコックを連れてきました。

「ほっと安堵したのもつかの間、新しいコックはこれまで学校給食しか作ったことがなく、本格的なイタリアンからほど遠い、家庭で食するような味つけと地味な盛り付けだったのです」

カフェの共同経営失敗から学んだ教訓とは?

 本格イタリアンという触れ込みで招いた客たちは、戸惑いの顔を見せながら、早々と出ていったそうです。

 カフェ経営の失敗を目の当たりにした新谷さんは、副業の失敗から、次のような教訓を得たそうです。

「複数名で投資したからといって、飲食業を副業で成功させるのは難しいです。やるからには本業として経営するか、オーナーとして出資してプロに店を任せるか、どちらかですね

 安易なやり方やずさんな経営では、起業どころか副業も失敗するとわかった新谷さん。気が引き締まる貴重な経験をしたそうです。

<TEXT/夏目かをる イラスト/超ズボン>

コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。『週刊朝日』『日刊ゲンダイ』「DANRO」「現代ビジネス」などで執筆。
Twitter:@7moonr

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