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「コジマ電機学園都市店」閉店で、日本一安い「つくば電気街」が消えた。その誕生と繁栄の歴史

ビジネス

「つくば電気街」の繁栄の歴史と痕跡を辿って

 筑波学園都市の、のちに、つくば電気街と呼ばれる地区に最初に出店した家電量販店は、「つくば市」が生まれる前の秋葉原に本店を置き、2003年に経営破綻した「第一家庭電器(第一家電)学園都市店」(現在はドラッグストア)だといわれている

つくば

「第一家電学園都市店」の跡。現在はドラッグストア「ウエルシア」等が入居している

 同店は1986年7月に開店、早くも1988年11月には別館として「DAC学園都市」を開店させ、地域で品揃えがほとんどなかった情報機器・AV機器に力を入れることで多くの客を集めた。

 これとほぼ同じタイミングで、第一家庭電器と同じく秋葉原に本店を置く「サトームセン学園都市店」(現在は学習塾)が進出。この徒歩圏で1985年4月から営業しており、当時は家電販売にも力を入れていた「ダイエー筑波学園店」(現在は西友などが出店)とともに、大手3社が家電販売競争を繰り広げることとなった

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「サトームセン学園都市店」の跡。現在は学習塾「土一・竹園TOPPA館つくば校」等が入居している

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ダイエー跡の「デイズタウン」には西友(食品売場のみ)、サンドラッグなどが出店。ダイエー時代は家電に力を入れていた時期もあったが、2021年現在は家電を販売する店舗は出店しない

つくば電気街でも最大の家電量販店が今は…

 1987年には筑波学園都市の4自治体が合併、のちに、つくば電気街と呼ばれるエリアの住所は「筑波郡谷田部町」「新治郡桜村」から「つくば市」となった。

 1993年11月には、やはり秋葉原に本店を置いていた「石丸電気」の初の郊外型店舗であった「石丸電気つくば店」(現在はCDレンタル店など)が開店した。店舗面積は1,320平米で、当時の郊外型家電量販店としては異例の規模。つくば電気街でも最大の家電量販店となった。

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「石丸電気つくば店」の跡。現在は中古CDなどを販売する「ゲオ」と「セカンドストリート」が入居している

 1990年代に入ると、「ダイイチ」(のちのデオデオ→エディオン)、「コジマ」(今年8月閉店)など、秋葉原系に変わり郊外型店舗を中心とする家電量販店の進出が相次いだ。この頃から、つくば電気街は「ロードサイド型電気街」としての知名度が高まり、活況を呈するようになる

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