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「勝ち組になる!」制止を振り切って転職した“勘違いアラサー先輩”の後悔

コラム

ゲッソリと痩せ細ったH先輩が履歴書を持って来店

コロナ

 しかし、H先輩が辞めてから1年ほど経ったある日、ゲッソリと痩せ細ったH先輩が履歴書を持って来店。店の前で、新入りのスタッフに店長を呼んでほしいと懇願しているのを発見し、思わず出て行って対応したという宮前さん。けれど、いまはスタッフを募集していないと言っても、まるで聞く耳を持ちません。

「言い争いみたいになってきて、ほかのスタッフが店長を呼びに行ってくれました。なんでもH先輩は、副業でつながりのあったプログラミングの会社に就職。腕を見込まれていたものの、いつものサボリ癖が出て部下に仕事などを押し付けて何度も問題になり、最後には辞めるしかなくなってしまったのだそうです」

 H先輩は転職先をクビになったあと就職先を探して回ったものの、コロナ禍で先が見えず厳しい企業が多く、どこも断られてしまったのだとか。絶対にH先輩には店に戻ってほしくなかった宮前さんでしたが、やさしい店長はH先輩をかわいそうに思い、コロナ禍にもかかわらず「アルバイトからでいいなら」と採用してしまいます

人を見下す態度も少しずつ改善

「また仕事を押し付けられるのでは? と不安でしたが、そんなことはありませんでした。店長がH先輩を採用後すぐに、これまでの傍若無人ぶりについてあるスタッフが店長に暴露したようです。いまでは、常に店長が厳しくチェックしてくれています」

 正社員だったときに後輩やアルバイトに仕事を押し付けてサボリまくっていたH先輩は、まったく使い物にならず、いままでの恨みを込めて後輩たちにキツくしごかれるハメに。いまでは、人を見下す態度も少しずつ改善されていると言います。

「コロナ禍で休業となった勤め先を散々バカにして転職したH先輩は、いまもアルバイトの最低時給から昇給できずにコキ使われています。かわいそうだとも思いますが、やっぱりちょっとは、いい気味だと思ってしまうのが本音です」

 宮前さんは「転職するときは能力や技術はもちろん、自分自身を高めておくことも大切。先が見えず不安の多いコロナ禍のような時期は、とくに慎重に転職を考えないといけない」と痛感したそうです。いまある仕事に感謝して真摯に取り組むことは、コロナ禍以前の転職時よりもさらに重要なポイントになるかもしれません。

<TEXT/山内良子 イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust

-[コロナ禍の困った転職]-

フリーライター。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意です

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