パワハラ自殺が大企業で相次ぐ。佐川急便、三菱電機…なぜいつも防げないのか
自殺に至るのはうつ病発症から6日以内
2021年版「過労死等防止対策白書」(厚生労働省)によると2012年~2017年度に労災認定された過労自殺者497人のうち、うつ病などの精神疾患の発症から6日以内に死亡したケースが半数近くを占めて最も多かったことがわかりました。
パワハラや過労などが続き、うつ病を発症してから短期間で亡くなるケースが多いこと。いつもと様子が違うなど異変に気付いたら迅速に対応することが極めて重要だということが明らかになっています。
自殺する危険をカウンセラーが察知したら…
筆者が代表理事を務める日本ハラスメント協会が運営する「ハラスメント社外相談窓口」というサービスがあります。これを利用する企業のなかには、被害に遭った従業員を迅速に休職に繋げるケースが増えています。
もちろん被害に遭った本人の希望もありますが、精神的なストレスが高いと判断される場合は一定期間の休職を勧めたうえで、精神面の回復を目指し、行為者の配置転換など職場環境の整備を同時に行うように企業に助言をしています。
相談に対応するカウンセラーは守秘義務があり、相談者(通報者)が希望していなくても、自殺する危険をカウンセラーが察知した場合は緊急性が高いため、企業の担当者に相談があった事実と内容を伝えて迅速に対応を促すルールになっています。