急速に広がった「Qアノン」。スピリチュアルと融合する陰謀論の現在地
議事堂襲撃で目立った毛皮の帽子の男の正体
議事堂突入事件で最も目立っていたのが、角の付いた毛皮の帽子をかぶり、タトゥーの入った筋骨隆々の上半身を見せつけていた「Qアノンシャーマン」ことジェイコブ・アンソニー・チャンスリーでしょう。ニュースでも度々取り上げられていたので目にした方も多いと思います。
いかにもマッチョな陰謀論者といった風貌の彼ですが、事件で逮捕された後、意外なニュースが報じられていました。
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同容疑者の国選弁護士が「チャンスリー容疑者は、おそらく宗教上の理由で厳しい食事制限をしている。そのため逮捕されて以来食事をとれていない」と裁判官に伝えたという。
(中略)
チャンスリー容疑者の母親マーサ・チャンスリー氏は「息子は1月8日以来、食事をしていません。彼はオーガニック食品を食べなければ、とても体調が悪くなってしまいます。文字通り体を壊してしまうのです」と説明している。
報告を受けた裁判官は、アメリカ連邦保安局と食事について相談するように伝え、連邦保安局はオーガニック食品を提供することを決めたという。
――毛皮とツノのトランプ支持者に、拘留所でオーガニック食品を提供へ「オーガニックでなければ体を壊す」ハフィントンポスト
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陰謀論とスピリチュアルの融合
筋骨隆々としたQアノンシャーマンが実はオーガニック信者であり、オーガニック以外の食事では身体を壊すために拘留所で食事を取っていないというのです。あの見た目であればジャンクフードやプロテインを食べていそうな雰囲気さえ感じるのに、オーガニックとは意外に思った方も多いのではないでしょうか。
しかし、実は陰謀論者(特にQアノン)にはスピリチュアルを支持している人も多く、Qアノンシャーマンもその一例です(ちなみに彼は突入映像がニュースで流れた後に、「あれはQアノンではなく急進左派のANTIFA(アンティファ)だ」という情報をネットに流され、味方からも攻撃されています)。
Qアノンシャーマンの他にも、その例はあります。ヨガや民間療法、セラピストやスピリチュアリストのインフルエンサーにQアノン支持者が多くおり、そのサークルが陰謀論への入り口になっているという報告がいくつもあるのです。