東証一部企業を一代で築いた男が広めた「ビジネス系スピリチュアル」の実態
晩年には「スピリチュアル否定」発言も?
また、太田龍は興味深い思想遍歴を辿った人物で、彼はもともと革命的共産主義者同盟(新左翼セクトとして有名な中核派や革マル派の元になったセクト)に所属する学生運動家でした。
太田はその後アイヌ解放運動や環境保護運動に関わった後、1990年代から陰謀論を主張しはじめます。彼は東洋医学や自然食にも関心を持っており、デヴィッド・アイク(爬虫類型宇宙人陰謀論を唱えた英国の陰謀論者)と同じく自然派やスピリチュアルな要素を持つ陰謀論者でした。
舩井幸雄は2014年に亡くなりましたが、どのような意図を持ってか、晩年には「いまの世の中は、スピリチュアルなこととか食とか遊びなど、どうでもいいことに浮かれている人に、かなり焦点が当っています。一度そのようなどうでもいいことは忘れ、現実人間にもどってほしいのです」とスピリチュアル否定とも取れる言葉を残しています。
しかしながら、彼が設立した勉強団体である「にんげんクラブ」は現在も多くの会員を抱えて継続し、根強い支持者がいます。
<TEXT/オカルト・スピリチュアル・悪徳商法研究家 雨宮純>