急失速した“盟主”マツキヨ。業界7位ココカラと経営統合に至った3つの理由
高利益率の商品を戦略的に選んだウエルシア
マツモトキヨシのコロナ前2019年3月期の売上高に占める化粧品の割合は39.9%でトップでした。医薬品は30.8%に留まっています。
さらに海外観光客の売上高は全体の13%超にまで及んでいました。一方、2019年2月期ウエルシアの売上高に占める化粧品の割合は17.6%でした。調剤と医薬品の比率は38.0%に及んでいます。ウエルシアの調剤・医薬品の総利益率は38.9%で化粧品は33.5%です。調剤・医薬品の利益率は圧倒的に高くなっています。
ウエルシアは戦略的に利益率の高い医薬品・調剤の構成比率を高めてきました。2015年2月期の売上高に占める医薬品・調剤の割合は35.5%。それを5年で38.0%まで高めたのです。医薬品・調剤は市場規模が大きく、利益率も高い有望な分野。ウエルシアの戦略勝ちでした。
マツキヨココカラ&カンパニーは2026年3月期に売上高1兆5000億円という明確な目標を掲げました。売上目標を掲げた意義は大きく、熾烈なシェア争いが一層激しいものとなりそうです。
<TEXT/中小企業コンサルタント フジモトヨシミチ>