「カップヌードルソーダ」に衝撃。ビックリ商品を生む日清の企画力とは
モロッコへの赴任が良い経験に
白澤氏自身のキャリアについても聞いてみた。現在はカップヌードルのブランドマネージャーを務めているが、それまでは大きな苦労も経験したという。
「日清食品で今までにいろんな仕事してきましたが、なかでも一番大変だったのは、北アフリカのモロッコに赴任して、現地で事業立ち上げに携わったことです。まさにゼロからの立ち上げであり、宗教や違いや言葉の壁などもあって、現地の方とのコミュニケーションに苦労しましたし、『仕事は一人でするわけではない』と改めて気づかされました。
今回の50周年記念企画を進めるにあたっても、社内外を問わずたくさんの人に協力してもらう必要がありましたので、このときの経験を活かすことができたと思います」
カップヌードルのこれからの展望
最後に、カップヌードルの今後について展望を聞いた。白澤氏は「カップヌードルを100年ブランドに育てていきたい」と語る。
「カップヌードルは4年連続で最高売上を更新するなど、発売から50年経った今なお成長を続けています。しかし、これから先の50年を考えると、サスティナブルなブランドを目指すためには、時代の変化に対応しながら進化していかなければいけないと考えています」
実際、フタ止めシールの廃止や、カップに含まれるプラスチックを植物由来のものに変更するなど、環境問題にも積極的に取り組んできた。そのうえで、「若い世代をターゲットにした商品として、エンターテイメント性を重視している」と説く。
「若者の生活スタイルや興味の対象が目まぐるしく変わっていくなかで、その時代に合ったブランドコミュニケーションを心掛けています。おいしいことや安心・安全なのは当たり前。そのうえで、お客様の生活に楽しい体験を届けていくことが、カップヌードルを100年ブランドとして育てていくためのカギになると考えています」
<取材・文/ヤマタケ>