脳梗塞を患ったリクルート元社員の31歳CEO。笑って死ねるか?を追求するワケ
漫画『ONE PIECE』から得た学び
また、入院中に読み返した漫画『ONE PIECE』からも学びを得たと話す。
「作中に何度か出てくる“笑って死を受け入れるシーン”が印象に残っています。ルフィがグランドラインに挑戦する直前に立ち寄った街で処刑台送りにされたときや、Dr.ヒルルクが雪山の上で『まったく!!!!いい人生だった!!!!』と銃撃されたシーンなどです。
そこから、自分が死ぬ間際、どうしたら笑って死ねるのか? を入院中ずっと考えていました。ただ、現時点の自分では何度シミュレーションしても、死ぬ直前に笑える確信は持てませんでした。
そこで至った考えは、人生において一番最初に掲げた夢や目標に対して『挑戦しきれた』と心の底から思えなければ、きっと笑って死ねないということでした」
Dr.ヒルルクのセリフの英語訳『What a life it was!!!!』は会社のビジョンとして掲げているという。
仕事をもっとオンラインに
復帰後は、働き方に変化があったという。
「自分が頑張りすぎることはないと思うようになりました。病気になる前はメンバーに任せていいようなことまで自分でやりすぎていたと思います。今は経営者として、メンバーの仕事の幅を広げること、働きやすい環境作りをすることにもっとも意識的に取り組むようにしています」
また、大病を患ったからこそ気付いたニーズもあった。
「入院中、若い方でも長期の入院になってしまう方がたくさんいることを知りました。なかにはそれで職を失ってしまう人もいます。特にホワイトカラー以外の仕事の場合は職場にいけなくなった瞬間、社会と断絶されてしまうんですね。そういった断絶を減らせるような仕事の仕組みや、サービスをもっと作れないかと考えています
ジムのトレーナーもこれまではオフラインの仕事でした。ZENNAにジョインしてくれたトレーナーさんも最初はオンラインでの仕事に戸惑っていましたが、今では場所を選ばずに働くことのできる良さを感じてくれています」