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1兆円企業ソフトバンクはなぜ強い?“理想的なビジネスモデル”と言える理由

ビジネス

ソフトバンクグループの事業構造

ソフトバンク

ソフトバンク本社が入居する東京ポートシティ竹芝

 現在は「ソフトバンクグループ」を筆頭とする持ち株体制をとっています。ちなみに携帯事業を展開するのは子会社の「ソフトバンク」で、株式の7割をソフトバンクグループが握っていますが、両社とも上場しており親子上場なっています。決算資料によるとソフトバンクグループの事業セグメントは以下の通りです。

(1)持株会社投資事業:同社によって直接行う投資事業(投資損益7414億円)
(2)SVF1等SBIAの運営するファンド事業:ソフトバンク・ビジョン・ファンドを通じた投資事業(投資損益3916億円)
(3)ソフトバンク事業:携帯、ヤフー事業(売上高1兆3566億円)
(4)アーム事業:半導体のシステム設計事業(売上高743億円)
(5)ラテンアメリカ・ファンド事業;成長するラテンアメリカに重心を置く投資事業(投資損益2194億円)
(6)その他:PayPayやソフトバンクホークスに関連した事業(売上高542億円)

 最新2022/3期第1四半期の売上高は1兆4791億円(売上総利益8120億円)ですが、会計基準の都合上売上高に貢献しているのは(3)(4)(6)であり、(1)(2)(5)事業は1兆2631億円の投資損益に貢献しています。売上総利益と投資損益を合計し、販管費など各種費用を引いた1Qの包括利益は9964億円です。

1)持株会社投資事業:WeWorkは大赤字だが…

 それでは各事業の内容を見ていきましょう。持株会社投資事業はソフトバンクグループや子会社が直接行う投資事業でソフトバンク・ビジョン・ファンドとは別事業です。

 主な投資先は中国の大手EC、アリババやドイツの携帯事業を展開するTモバイル、コワーキングスペースを提供するWeWorkが含まれます。アリババは中国国内で9.12億人のユーザー数を誇る巨大企業ですが、ソフトバンクグループは同社の株式を25%近く保有しており大成功した投資先のひとつといえます。

 一方でWeWorkへの投資は失敗し、2020/3期に4900億円近い赤字を出しましたが、携帯事業の豊富な資金力と信用力を基に回復へと向かっているようです。

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