1兆円企業ソフトバンクはなぜ強い?“理想的なビジネスモデル”と言える理由
ソフトバンクは住宅向けに、工事不要でネットにつなげるサービスとして「SoftBank Air」を提供していますが、2021年10月よりついに5Gに対応するようです。
高速を求めて光回線一択だったユーザーも5G対応ならソフトバンクを選ぶかもしれません。スマホでは2020年3月からすでにサービスを開始しており、今後も無線通信の5G化は進んでいくことでしょう。
さて、ソフトバンクといえばスマホの他にもYahoo!事業を展開しているほか、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を通じて投資事業を進めるなど、その企業活動は多岐にわたります。そこで今回は改めてソフトバンクの事業構造を見ていき、具体的にどうやって稼いでいる企業なのか把握してみたいと思います。
翻訳機から始まるソフトバンクの歴史
ソフトバンクの歴史は翻訳機から始まります。1970年代後半にアメリカへ留学していた孫正義氏は電子翻訳機を開発し、それをシャープに売り込んで1億円の資金を得ました。
それだけでも凄いことですが、孫氏は資金を使って1981年にソフトウェアの流通事業を展開する「日本ソフトバンク」を設立。社名はソフトウェアの銀行(バンク)という意味で名付けたそうです。
その後は出版事業や電話システムの開発などを進めました。投資家としての側面をみせ始めるのは1994年からで、この年に自社の株を店頭公開(非上場ながらも証券会社の店舗で買えるようにすること)し、集めた200億円をもとに米国企業を含めたM&Aを進めました。
英国の半導体企業を買収
1996年には米ヤフーとの共同設立でヤフー株式会社を設立、そして98年にソフトバンクは1部上場となります。2000年にはAlibabaに出資し、現在では中国を代表するECとなりました。
2000年代からは主軸を携帯事業に移します。2006年にボーダフォンを完全子会社化して携帯事業に参入し、2008年には国内で初めて「iPhone 3G」を発売しました。現在でも携帯のシェアトップはNTTドコモですが、スマホへの参入が早かったソフトバンクはシェアを伸ばし、後の投資に必要となる資金源を確保しました。
そして2013年には米国で携帯事業を展開するスプリントを、2016年には英国の半導体企業ARMを買収しました。2017年には「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を創設し、金融機関やファンドから得た資金をもとにAIや自動運転など新技術への投資を進めています。