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福山雅治が鉄道車両を購入か?秘密は、名曲で歌われた絶景に

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 人気シンガーソングライター・俳優の福山雅治氏が、九州で永年親しまれたある鉄道車両の保存に乗り出すことになるかも知れないという。福山氏の名曲に隠されたその理由を求め、長崎に足を運んだ。

JR九州

福山雅治氏が保存したい鉄道車両とは…?(JR長崎駅)

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福山雅治が保存したい車両とは?

 福山雅治氏が「鉄道車両の保存」について言及するきっかけとなったのは、2021年7月17日に放送されたラジオ番組「福山雅治と荘口彰久の地底人ラジオ」(大阪MBSなど一部局は放送日が異なる)。

 番組のなかでリスナーから福山氏の出身地・長崎県を走るJR九州のディーゼルカー「キハ66・67系」が引退するという報告を受けた福山氏は、「地元で保存してくれる有志がいるならば僕が車両の購入と土地代を出す」と答えたという。

 この「キハ66・67系」は国鉄が山陽新幹線の博多開業に合わせて1975年に登場させたディーゼルカー。当初は山陽新幹線からの乗り換え客が多い福岡県の筑豊地区を中心に活躍していたが、筑豊本線の電化に伴い、2001年からはおもに長崎地区の大村線・長崎本線旧線(長与線)に活躍の場を移し、長崎-大村-ハウステンボス-佐世保間の快速「シーサイドライナー」や大村線・長与線の普通列車として運用されていた。

 しかし、デビューから約半世紀を迎えた今年6月に老朽化のため惜しまれつつ引退。最新型のハイブリッド式車両「YC1系」にその道を譲ることとなった。

福山氏の書いた歌詞のモチーフにも

JR九州

ハウステンボスを背景に走るキハ66・67系の快速「シーサイドライナー」。(JR南風崎駅)製造当初はべージュと朱色だったが、末期には殆どの車両が「シーサイドライナー」に因んだ青色に

 さて、福山氏といえば長崎市のJR長崎駅や稲佐山に近い場所で育ったことで知られる。市内中心部に近い地域で育った福山氏がなぜ大村線・長崎本線旧線(長与線)で活躍した車両を保存したいのかと疑問に思う人もいるであろう。

 実は、福山氏の母方の実家は長崎県諫早市多良見町の高台でみかん農園を営んでおり、祖父母の家まで長崎本線旧線(長与線)の「ベージュと朱色のキハ」(ディーゼルカー)に乗って行くことがしばしばあったという

 その様子は福山氏が作詞作曲した「蜜柑色の夏休み」(アルバム『f』収録曲、2001年リリース)で歌われているほか、今年4月に放送されたNHKのテレビ番組「ファミリーヒストリー」では祖父母の家から見た長崎本線旧線(長与線)の景色が日本テレビ「NEWS ZERO」のテーマソングとしても知られる「道標」(2009年リリース)で歌われた「弓形(ゆみなり)に続く線路」であることが公表されている。

 現在、その「弓形に続く線路」は、大村湾を背景に走る列車を写すことができる風光明媚な撮影地「東園(大草)の大カーブ」として知られる存在となっている。写真が趣味の福山氏だけに、思い出の風景が有名撮影地として親しまれていることは誇らしく思っているかも知れない。

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