横浜流星、いるだけでカッコいいスタア性の秘密。“ポスト千葉真一”の声も
“スタア俳優”・横浜流星の真骨頂
スタア俳優にとって重要なのは、画面上でどれだけ“映える”のかだ。中田監督の言う「なり切る」タイプの演技派俳優は、さまざまな演技テクニックを駆使するが、スタア俳優は映える存在感、この一本勝負だ。存在感(オーラ)が持って生まれた才能であるだけに、立派なスタアの証となる。
そしてスタアは画面上に“映える”ために「自然体」でいる。横浜の「自然体」もまさに“ただそこにいるだけでカッコイイ”演技だ。出演が発表された2022年1月期TBS日曜劇場『DCU』でのダイバー役の「精神統一」された横浜の毅然とした姿は、昭和スタアの序列に並べても何の遜色もない。
先輩・山﨑賢人との共演で見せた底力
横浜が所属するスターダストプロモーションには、山﨑賢人を筆頭に、“ただそこにいるだけでカッコいい”ことが約束された俳優たちが多いのも事実だ。
横浜はオムニバス映画『シュウカツ』(2016)の一編『拡散』で短編映画初主演を果たした。『オオカミ少女と黒王子』(2016)では、実写化王子として不動のポジションを取る主演・山﨑の背中を追いながら、スタアの片鱗を覗かせる底力をみせている。
本作で横浜が演じるのは、二階堂ふみ演じるオオカミ少女にドSっぷりを発揮する黒王子(演・山﨑賢人)の親友・日比谷健だ。出番はほとんどないが、バイト先のカフェでオオカミ少女が黒王子に気持ちを確かめようとする切ない場面、黒王子に店番を頼んで雨の中店の外へダッシュしていく日比谷の姿が、たったワンショットの中ですぐにフレームアウトしてしまうのに、全編を通してもなぜか強烈に記憶に残る。
脇役でありながらスタア然としているこの日比谷役は、その後の横浜の活躍を予感させるような初動を感じさせる。事実、横浜はその後、2019年のTBS火曜ドラマ『初めて恋をした日に読む話』で深田恭子演じるアラサー予備校講師との恋愛に悩むピンク髪の高校生「由利匡平」役で人気に火が点き、凄まじい勢いでスターダムを駆け上がっていく。
そうして今では山﨑に引けを取らない存在感で、スターダストプロモーションを背負う“看板スタア”となった。