はあちゅう事実婚から考える「結婚」の心理的メリット・デメリット
一方で、名字を変える必要がない事実婚については、たがいの両親などから変わり者扱いされるといった声もあったそうです。
「話を聞いた中では、ただの同棲をしていたつもりが、長期化したことにより周囲から『事実婚みたいなものだよね』といわれることに困惑していた方もいました。また、事実婚は年配者からの理解を得づらいこともあり、親たちから問い詰められて『肩身の狭い思いをした』という意見もありました。
関係性が曖昧なのはもちろん、このような親世代からの見方に悩む声は比較的多いように思います。年頃になると結婚して子どもを作るのが当たり前だった世代とのジェネレーションギャップは仕方ないのですが、いずれにせよ、改姓や法律婚をしないという選択肢自体を理解するための知識が、社会的にまだ追いついていない印象もあります」
「契約結婚をして後悔した」という声も
さらに、結婚生活における取り決めを交わす契約結婚については、自分から申し込んだはずなのに、相手に対して「うしろめたい気持ちになった」という意見もあったそうです。
「入籍せずに結婚に関わる契約を結んだ方からは『ルールを細かく決めるのにどうして入籍しないの?』『逆に面倒では?』などと周囲から言われてしまったという声もありました。
また、自分から契約結婚を申し込んだという女性は、さまざまな事態を想定する作業について『相手に面倒をかけてしまっている』という思いが芽生え、うしろめたさを感じてしまったと口にしていました。
実際、何をどこまで決めるべきか、どう手続きを取るかという煩雑さが加わるので、事実婚以上に首をかしげる人たちが多くいる印象もあります。当事者としては、自分たちで最大限努力して納得できる“結婚のカタチ”を作り上げようと努力しているので、周囲から疑問を呈されると余計にツラく感じてしまう場合もあるようです」
自分たちの理想を形にするべきか。それとも、周囲を納得させられる形に妥協するべきか。結婚の価値観が拡がり始めた今だからこそ、さまざまな悩みがよりいっそう浮かび上がってきているのかもしれません。