はあちゅう事実婚から考える「結婚」の心理的メリット・デメリット
もうひとつ注目は、結婚に関する取り決めを当事者間で交わす「契約結婚」。生活における約束事をきちんと“契約書”という形で結ぶものですが、基本的なメリットやデメリットは「事実婚と同じだと考えられる」と言います。
「例えば、毎月いくらのお金を入れるか、資産は同分配するかなどをたがいに明らかにしておくことで、トラブルが発生した場合の心理的な負担をやわらげられるメリットはあると思います。
ただ、生活の細かな部分について、何をどこまで決めておけばよいかひな形がなく、前例が少ないのも現状です。そのため、事前に話し合って約束事を決めていくのは、こだわりが強い人ほど骨が折れる作業になります。意見や温度差があると、せっかくの話し合いの段階で関係性が一時的に悪化することも考えられます」
多用な結婚の形が認められつつあっても、それぞれのメリットやデメリットは千差万別です。当事者にとってどういった形を選ぶのが幸せなのかを、きっちりと話し合うのが大切なようにもみえます。
名字を変えたくない女性の現実
恋愛ジャーナリストとしてさまざまな取材を行うおおしまさんですが、「法律婚」以外を選択した方々からも、実際の声を聞く機会もあるといいます。
「法律婚を選んだ方の中には、自分の名前が嫌いだったので『改姓できてよかった』と口にしていた人もいました。ただ、必ずしもポジティブな反応だけではなく、女性のなかには名字を変えるのが嫌だったにも関わらず『彼と自分の両親に押し切られ、結局自分が改姓した』と話していた方もいました。
あるいは、結婚後に改姓したことで『銀行の手続きをしなければならず、会社の休み時間にいろいろな場所を回りクタクタになってしまった』という意見もありました。
名字を変えるという行為にはメリットやデメリットどちらもあることを踏まえると、同姓だからわかりあえるかといえばそうではありません。温度差のある者同士が話すとまったく理解し合えずに、最悪の場合仲たがいしてしまうこともありえます」