新しい飲酒スタイル「チェアリング」。折りたたみイスで野外飲みしてみた
「夏らしくアウトドアを楽しみたい。けど時間もお金も余裕がない」――。
そんな人におすすめしたいのが「チェアリング」。チェアリングとは、折りたたみチェアを持って、街や公園などどこでも気軽に“チルアウト”できるという新しい娯楽です。その方法と、意外な魅力を体験してきました。
チェアリングのルールは「厳密には定めていない」
案内してくれるのは、日本チェアリング協会理事長の伊藤雄一さん。多い時には週3回、夏だけでなく寒い冬でもチェアリングするそうです。
「チェアリングのルールは、人様に迷惑をかけない、市井の人々に威圧感を与えない、装備を増やしすぎてキャンプにならないこと。ですが、厳密には定めていません。
酔っ払い過ぎない、きちんと片づけるなど最低限のマナーを守ってもらえれば自分なりに楽しんでほしいと思っています」
チェアリングのステップは主に3つ。
①コンビニなどで好きな飲み物や食べ物を買う
②チェアリングする場所を探す
③イスを設置してその空間を楽しむ
これらを踏まえて体験していきます。
いざ、「チェアリング」開始!
今回のチェアリングスポットは、伊藤さんイチオシの、東京タワーのふもとにある芝公園。
コンビニで好きなお酒やおつまみを買い、公園内を散策して、一番大きな広場にやってきました。どこでチェアリングをするかという場所選びもチェアリングの面白さのひとつです。広さや眺め、街灯やトイレの場所などを総合的に判断して決めます。
「よし、ここにしましょう」(伊藤さん、以下同)
伊藤さんはリュックから折り畳みのイスを取り出し、てきぱきと慣れた手つきで椅子を組み立てはじめました。Amazonで3000円くらいで購入したとか。
あっという間に立派なリクライニングチェアが完成。座らせてもらうと、ただの公園が贅沢なリラックス空間に様変わりしました。
私はドン・キホーテで1500円ほどで購入したイスを持って行きましたが、伊藤さんいわく、1000円くらいのものでも十分とのこと。
イスをならべて買ってきたお酒やおつまみをひろげて乾杯。地べたに敷物を敷くよりも断然居心地が良くて、キャンプほど大掛かりではないのに、とても新鮮で特別な気分になれます。
チェアリングは場所によっていろんな楽しみ方があるそうです。
「特に水辺との相性が最高。お台場の海浜公園や河原は気持ちいいです。晴海のタワーマンションやオフィス街の交差点もまた違った雰囲気で、人通りが多いところだと人間観察する面白さもあります」