「世界一かわいそうな童貞」のために起業した、元カプコン26歳社長
――まさかの……たしかに彼、かなり可哀想ですが(笑)。
加藤:それで「なんで彼女いないの?」って聞いたら、「勉強もできなくて得意なこともなにもない。現実世界が無理」だって。なるほど、じゃあわかった、俺がお前のために、その世界を作ったるって。
――そんな起業理由だったんですか!? 意外すぎます!
加藤:そうですね。道玄坂の童貞だけは、世界で一番不幸でした。それに、僕も勉強もスポーツも全然イケてなかったけど、たまたまスポーツチャンバラというマイナーな世界にフィットしたから大丈夫だった。
もしスポーツチャンバラと出合わなかったら道玄坂で泣いていたかもしれませんし、この男も自分が活躍する世界があったら、きっとこんな悲しい思いはしていなかったなぁって。だから、こいつを救える世界を作るために起業したんです。
「イケてない人のための世界を作りたい」
――めちゃめちゃ良い話じゃないですか……。具体的にはどんなものを作ってらっしゃるんですか?
加藤:次のフィールドは、スマホの後はVR/ARであり、そのなかで活躍できる場を作っています。なかでも、一人でプレイするというよりは、周りの人に見てもらって、プレイヤーが称賛や評価を得られるようなものを作っています。
――まだまだイメージとしてVRを個人で持っている人は少ないですが、今後、どうやって普及していくと考えていますか。
加藤:タイミングは2021年にくると思っています。何を持って普及したという定義は難しいですが、「若いコ、みんなVR製品持っているよね」となるのが3年後だと思います。VRの技術も日進月歩で進化していて、2016年の7~8万円の注目商品が来年には5万円のものが出て、次は2万~3万円になる。
価格が5万円を切ると、普及率が爆発的に伸びると言われています。すでにVR世界にオフィスを構えたり、商品を売買して生活してる方や、広告を出したりとビジネスが生まれてきているんです。
――次に考えている事業はありますか?
加藤:今だとVTuber(バーチャルユーチューバー)がすごく流行ってますよね。キズナアイとか、もう200万とかYouTberのランキングトップ20に入るくらいファンがいるんですよね。今はさまざまなVR空間が生まれているので、いろんな角度からそのライブ会場を見られるシステムを作っています。
会社の軸としては、イケてないやつを救うことは変わりません。ただ、そのためにもクラスのヒエラルキーでは上位に行けない男の子がとつぜんヒーローになれるeスポーツだったり、イケてない女の子がアイドルになれるためのVTuberみたいな。