むかつく同僚が急激に業績を伸ばして天狗に。実はヤバい営業をしていて…
それまで成績が横並びだった同僚が突然覚醒して、自分の倍近い数の契約を取ってきた……なんて経験はありませんか。このように急激に仕事の成果が向上するような場合は、ブレイクスルーや環境の変化などの要因が考えられますが、危険なウラがある場合もあるようです。
同僚が危うい営業をした結果、窮地に追い込まれるさまを目の当たりにしたというのが、金融関係の企業に務めていた井関大介さん(仮名・29歳)。
ブラック企業で生まれる同期との絆
「新卒で入った会社で、主に商品先物取引を扱っている会社でした。自分は営業だったんですが、えらくきつい職場でしたね。ノルマに追われまくる環境で、結果を出すか見込みを作れなければ帰らせてもらえず、月の残業は100時間を超えていました」
70名ほどいた井関さんの同期は次々と辞めていき、1年で3分の1程度まで減った頃には同期たちの間に固い絆が生まれていたそうです。
「ただただ『会社が嫌い』という1点で結束していましたね。戦争映画で鬼教官のもとでしごかれた兵士たちが結束するような感じです。ただ、その中にどうしても好きになれないない同期が桑野(仮名)でした。
同期たちと飲みながら会社の愚痴をこぼしていると、『成果が出てないのに愚痴ってもただの負け犬の遠吠えじゃねえかよ』とか平気で言うんです。夢を聞かれて特にないと答えたら、『おまえ何のために生きてんの?』と言われたこともありましたね。『ビッグになる』というのが口癖のやつで、桑野も会社のことは好きではないようでしたが、起業するために金が必要で仕方なく働いていると言っていました。めちゃくちゃ感じの悪い意識高い系というか、何から何まで合いませんでしたし、同期のほとんどが嫌っていました」
嫌な奴だが結果は残していた
ただ、そう恨めしく語る井関さんも、桑野さんには認めざるを得ない部分があったそうです。
「とにかく結果だけは出していましたね。同期の中でも常に3番以内には入るような成果を残していたと思います。この仕事は、結構才能に左右される部分もあって、契約を取れる人は最初から取れたりもするんですが、桑野はそういう感じではありませんでした。ある部署に移動になってから急に取れるようになったので、上司に恵まれて『営業の極意』を教えてもらったんだろうと思っていました」
入社から2年目を迎えようとする頃、井関さんは退社を考えるようになります。