本当の友はどこにいるのか?大切にすべき友を見極める、4つの基準
「善き友」を得るのに必要なこと
では、自己変革、自己成長のために、もっとも簡単、かつ効果的な方法は何か。それが「善き友」を得ることなのです。
仏教では、道徳的で優れた人を、善友(ぜんゆう)と呼びます。親、先生、先輩、上司など、目上の人であっても、人格者であれば善友です。幼なじみ、恋人、後輩など、同級生や後輩であっても、人格者であれば善友です。
お釈迦さまは、「善友が仏道の全てだ」とまでおっしゃいました。慈悲心や知恵をそなえた人。道徳的で、高い人格をそなえた人。そのような善友の側にいると、知らず知らずのうちに、自分もその人の影響を受けて、人格が成長してゆくからです。
それゆえに、日頃から「誰といるのか」がとても重要になります。つきあう友達の影響を受けて、あなたの思考、言葉、行動が善き方向へも、悪しき方向へも変わってしまうからです。
「信念が変われば、思考も変わる。思考が変われば、言葉も変わる。言葉が変われば、行動も変わる。行動が変われば、習慣も変わる。習慣が変われば、人格も変わる。人格が変われば、運命も変わる」
とは、インド独立の父と呼ばれる、マハトマ・ガンジーの言葉ですが、その言葉どおり、友の影響が、あなたの人生までも左右してしまうことがあるのです。
仏教経典にもある人付き合いのコツ
『六方礼拝経(ろっぽうらいはいきょう)』には、つきあってはいけない人と、つきあうべき人が、それぞれ4種類説かれています。
【つきあってはいけない人】
① 何ものでも取って行く人
・人に与えるときは少ないのに、自分が受け取るときは、できるだけ多く得ようとする人
・自分の利益のみを追求する人
② 言葉だけの人
・「あのときは、ああしてあげた」と、過去のことを恩に着せて友情を装う人
・「今度、こうしてあげるから」と、未来のことに関して友情を装う人
・なすべきことが迫ってくると、「都合が悪い」と言い出す人
③ 甘言(かんげん)を語る人(甘言:口当たりのよい言葉)
・目の前ではお世辞を言い、裏では軽口をたたく人
・うわべだけのうまい言葉を語って、中身がともなっていない人
④遊蕩(ゆうとう)の仲間(遊蕩:ギャンブル、お酒などに溺れること)
・飲酒、ギャンブルに明け暮れている人
のことです。