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手柄を横取したお礼は「スタバのラテ」だけ…悪質な先輩社員に天誅が

コラム

 どの職場にも必ずといっていいほど存在する人の手柄を横取りする社員。仕事の実績は上司からの査定など収入に直結するため、自分がターゲットに狙われてしまったらたまったものではありません

上司 説教

画像はイメージです(以下同じ)

入社3年目、私の部署に異動してきた3歳上の先輩社員が横取り野郎でした。ただ、最初はこんな人間だなんて思わないじゃないですか。彼が担当する案件の手伝いを私にもさせようとしましたが、一応先輩だから受け入れざるを得なかったんです。そしたら味をしめたのか他にもいろいろと指図してくるようになって……」

プレゼン案まで作らせようとする先輩

 先輩社員にいいように使われていた日々を振り返るのは、機械メーカーに勤める川崎寿一郎さん(仮名・30歳)。しかも、自分がやるべきではない重要な仕事も押し付けてきたといいます。

「先輩が異動してきて半年ほど経ったころ、新製品のプロモーション案についてのプレゼンを行うことになったんです。ウチの会社は若手社員に経験を積ませるためにこうやって社内プレゼンに参加できる機会があり、ここで自身の案が採用になれば査定はもちろん大幅プラス評価。準備は大変ですけど、それだけやりがいのある仕事なんです。

 ところが、先輩はこれも私にほぼ丸投げ(笑)。さすがにプレゼン案の骨子(こっし)くらいは考えたほうがいいと伝えたのですが、『そこも含めてお前の仕事だろ!』ですからね。あまりの言い草に呆れましたが、私も将来のための経験になればと思って先輩の代わりにプレゼン案作りを進めました」

 準備期間は1か月あったとはいえ、その間も通常業務はこなさなければならず、川崎さんの場合はこれに加えて先輩から命じられる別の仕事も抱えている状態

スルーされながらも懸命に取り組む

手柄横取り

 ほかの社員の倍近い仕事量の中、昼食時も自分のデスクでおにぎりをかじりながら作業を続け、夜は残業可能な20時までオフィスに残って作業。帰宅後も深夜までプレゼンの準備を続けていたそうです

「完全に手抜きのプレゼン案を作ってもよかったのですが、このときのプレゼン案のように物事を企画するのがもともと好きだったんです。当時話題になった国内外の企業のプロモーションやセールスの成功事例を片っ端から調べ、そこから弊社の予算規模でも行えそうなものを選び、自分なりのアレンジを加えました。ウチの会社は少し保守的なので似た方法で成功した企業があると裏付けにもなりますし、完全なオリジナルよりアピールできると思ったんです」

 プレゼン案の方向性や内容について何度か相談しようとしたそうですが、先輩は「お前に任せた」とすべてスルー。それでも本番1週間前にはなんとか完成し、先輩に納品。一応、プレゼン案の概要をまとめたレジュメだけでなく、想定される質疑応答集も一緒に渡します。

「先輩からは『♪サンキュー』って軽い調子で言われて終わり。一応、スタバのSサイズのラテを1杯くれましたが、それですべてを済まそうとしている先輩をスゴいなと改めて思いました(苦笑)」

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