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なぜ現代人は孤独を感じやすい?「私達を洗脳するもの」の正体

学び

現代人に孤独が広がっている理由

 インターネットの登場によって、世界はかつてないほどに繋がっています。それにもかかわらず、今、多くの人が、かつてないほどの孤独を感じているのです。一体、なぜでしょうか。

「さみしさ」の起源は、ルネサンス後期にさかのぼります。西洋社会で「集団」から「個」を重視する風潮が広まったのです。さらに時代が進んで、その風潮を後押ししたのが、産業革命でした。

 機械化が進んで、大量生産を可能にした工場が次々と都市に出現し、大勢の働き手が大挙して、農村地帯から、都市へと移住していったのです。教会などの地域コミュニティーは崩壊し、人々の近隣住民とのつながり、地域とのつながり、社会とのかかわりは、大きく変化しました。

 インフラが整い、インターネットが登場し、スマートフォンが普及した現代、人々の意識の繋がりは、さらに希薄化しています。人々は、集団の中にいながら、孤独を感じている。

 同じ学校にいながらも、同じ職場にいながらも、同じ家庭にいながらも、個々の意識は、仲間ではなく、スマホに向いている。心通い会う家族や仲間の数が減り、その数少ない家族や仲間とさえ、真正面から心通わせる回数が減っているのです。現代は、自ら進んで、他者とのつながりを分断する社会になってしまったのです。

「さみしさ・劣等感・疎外感」の正体

孤独

 前述のように、私たちの身体には、孤独に対する「さみしさ」という警鐘が埋め込まれています。その警鐘が鳴らされるとき、私たちは「さみしい」という苦痛を感じるのです。

 ここでもう一歩、現代人の「さみしさ」に深く踏み込んでみると、見えてくる現実があります。それは「1人でいることと、独りぼっちだと感じることは同じでない」ということ。

 1人でいても、楽しくて仕方ないこともあるし、たくさんの同級生や同僚に囲まれていても、自分が「独りぼっち」に思えて仕方ないこともあります。どうやら、現代人の私たちが感じている「さみしさ」には、人類の祖先が感じていた「さみしさ」と比べて、別の要因が絡んでいるようです。

 物理的に誰かといても、たくさんの仲間と過ごしていても、「独りぼっちだと感じる」ということは、孤独感の原因が、外側にあるのではなくて、内側にある、ということです

 そう、「さみしさ」の正体は、私たちの内側にある。つまり心が、「自分は独りぼっちだ」と思いこむことによって、「さみしく」なっているのです。さらに「さみしさ」は、私たちの心に悪しきエネルギーを生みます。「自分を誰かと比較する」というエネルギーです。

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