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須藤元気に聞く、日本を豊かにする方法「政治家になるために格闘家になった」

ビジネス

毎月10万円給付しても問題ない

――財源確保だけでなく、インフレ率を気にする政治家や経済学者は少なくありませんが……。

須藤:確かに現金給付を続けるとインフレ率が上昇し、バブル崩壊を引き起こすかもしれません。しかし、参議院・調査情報担当室の試算によると、毎月10万円の現金給付を4年間実施しても、日本政府が長年目標としているインフレ率2%に届きません。

 毎月10万円を配ってもなお、経済成長が難しいほど日本は冷え込んでおり、それほど国民(市場)にお金(需要)がないのです。要するに、国民の税負担を減らし、お金を刷りまくって給付しまくって積極的な財政出動を徹底すれば万事解決します。

正しい貨幣観を身に付けよう

日本の国会議事堂

画像はイメージです(以下同じ)

――しかし、緊縮財政を推す政治家も少なくなく、先述した積極財政的な政策を実現することは困難に思えます。

須藤:いまだに「日本の借金が~」と口にする“緊縮脳”と言われる政治家は多いです。また、人間には一度とった態度や立場を変えられない心理傾向“コミットメントと一貫性の原理”を有しており、積極財政の必要性を理解しても、簡単に主義主張を変えられる政治家はそうはいません。

 加えて、コミットメントと一貫性の原理を乗り越えて「日本は借金を返さなくて良い!」と発信しても、有権者が積極財政の必要性を理解していため、「メチャクチャなことを言うな!」と反発されかねない。国全体で従来の政治経済に対する考え方をアップデートすることが求められます。

――積極財政の必要性を理解してもらうためには何が必要ですか?

須藤:積極財政それ自体、従来の考え方とはほぼ真逆であるため、“トンデモ理論扱い”を受けやすい。それこそ天動説から地動説に考え方を変えるように、これまでの考えを180度変えなければいけない。積極財政の必要性を理解していただけるように根気強く発信を続け、世の中の流れを変える以外に方法はありません。

――かなり時間がかかりそうですね……。

須藤:大変な道のりですが、楽観視できる点もあります。アメリカも200兆円規模の大型追加経済対策を成立させ、積極財政に舵を切りました。また、6月に開催されたG7サミットでは、各先進国が大胆な財政出動を継続する方針を掲げています。日本は良くも悪くも海外の影響を受けやすく、世界的な潮流に乗り遅れないように積極財政に意識を向けるようになるのではないでしょうか。

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