2021年夏のボーナス支給額、一番下がった業界は?もらえなかった人は3割超
自動車業界の影響を受け、鉄鋼も…
鉄鋼業界の夏のボーナスは2020年に24.8%も減少し、75万9365円から57万1027円となりました。2021年はそこからさらに4.93%落として54万1614円となっています。これは自動車業界の影響を大きく受けたものです。
業界トップの日本製鉄は、新型コロナウイルス感染拡大直後の2020年3月期に4061億円の営業損失(前年同期は2651億円の黒字)を計上しました。自動車用の鋼板需要が縮小したためです。
日本製鉄は2021年3月期に113億円の営業利益を出したものの、売上収益は前期比18.4%減の4兆8292億円と完全回復には程遠い状況です。
夏のボーナス不支給を決定した会社も
旅行ガイドブックの出版やデジタルマップを運用する昭文社ホールディングスは、今年の夏のボーナスの不支給を決定しました。
旅行需要が消失し、昭文社は2021年3月期に14億4800万円の営業損失(前期は6500万円の赤字)を計上しました。今年の夏のボーナスとして確保していた1億900万円は、取り崩して売上原価と販売管理費に振り替えるとしています。
2020年は夏のボーナスの不支給が、飲食業界で相次ぎました。全国でラーメン店を運営する幸楽苑は、2020年5月から7月まで社員の給与を20%カットし、夏のボーナスの不支給としました。
幸楽苑は2021年3月期に17億2900万円の営業損失(前年同期は6億6000万円の黒字)を計上しており、依然として苦しい状況が続いていますが、今年の夏はボーナスが支給されるようです。ただし、50名程度の希望退職者の募集をかけています。大がかりな人員整理に乗り出しました。
今年は不支給の発表をしている飲食企業はありませんが、債務超過に転落している企業もあり、支給額は厳しいものと予想できます。