100円ショップ「セリア」が好調。コロナでも売れた“意外な商品”
コロナ禍で打撃を受ける企業も少なくない中、今年2月に帝国データバンクが発表した調査結果によれば、2020年度の100円ショップ業界の売上高(事業者売上高ベース)は、11年連続で増加となり過去最高を更新することが確実だという。
これは、新型コロナウイルスの感染拡大でマスクや消毒液など衛生用品の需要が高まった上、おうち時間の増加により、収納用品、ハンドクラフト、キッチン用品、清掃商品などの需要が増加したことが背景にあるという。
同業他社との比較で「おしゃれ」「可愛い」「デザインがいい」「女性向け」「気が利いてる」という声が多い株式会社セリアも過去最高売上を見込んでいる。コロナ禍でも好調な理由を「おうち時間が増え、“家事をすること”と“趣味に時間をかけること”の需要が高まりました」と語る同社取締役商品部長の田中氏に詳しい話を聞いた。
コロナで需要が高まった100円商品
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、同社の実店舗ではレジガードの設置、キャッシュトレイでの金銭の受け渡し、店内放送にて咳エチケットへのご協力のお願いといった感染防止対策を実施するようになった。
時を同じくして、「家で過ごす時間や人数が多くなった」と田中氏は話す。
「調理用品や製菓器具全般の需要が高まりました。それに伴いゴミの量や掃除の頻度が高まったため、ゴミ袋や排水溝ネットといった清掃・バス・トイレ用品の需要も高まりました。
同時に趣味や手作りニーズが高まり、手作りマスクや毛糸といったハンドクラフト関連パーツ類の販売が急伸しました。また、園芸・インテリア・DIYのニーズも高まりました」
100円ショップで予想外に売れたのは?
コロナ禍で生活様式が一変したことで“予想通りに売れた商品”は、おうち時間が増え、家族が気軽に食卓を囲める「お好み焼き、たこ焼き関連の商品」だったという。
一方、“予想外に売れた商品”はマスクゴム、カットクロスなどの「手作りマスク関連商品」だそうだ。「手作りマスク関連商品」については、「マスクが市場に安定的に供給されている現在でも個性が発揮できる需要として定着し、一定のニーズが継続しております」と話す。
コロナ禍という外的環境の変化に対応するために注力した商品は、「ヲタ活関連商品」と「キャンプ用品・釣り用品」。ソロキャンプや釣りは1人で楽しめることもあってか、「固形燃料用受け皿」など即完売となる商品がでるなど人気となったようだ。