現代人が抱く「孤独感」を手放す、4つのステップ。現役和尚が教える
お釈迦様が説いた言葉の意味とは?
お釈迦さまは決して、「わずらわしい人間関係を離れて、自分勝手に生きろ」とおっしゃったわけではありません。
他人を見てうらやんだり、他人に認められようとしたり、他人の顔色を見て修行に励むフリをしたり、と、他に意識を奪われて、本来の目的を忘れがちな修行者たちに、自己と徹底的に向き合うことを教えられたのです。
それが証拠に、若きとき、自らが犀の角のように、ただ独り歩んだお釈迦さまは、その後、独りぼっちで世間から孤立してしまったでしょうか。いいえ、お釈迦さまは、「悟り」という究極の自己実現を成し遂げられました。
小さな光を放つ、孤高の存在に
その後は、各地を遊行して教えを説いて歩き、多くの人々に慈悲心と、智慧と、勇気を与えられました。余生は人々から尊敬を受け、最期は、弟子たちに囲まれてその生涯を閉じられたのでした。
孤独であることを嘆く必要はありません。無理して周囲と絡む必要はありません。ただ、人間は独りだけで生きられないことを知って、他者への思いやりを育んでください。社会や周囲との関係に生きていることを知って、甘えやワガママを離れてください。
そして、孤独感に埋もれて自分を嘆き続けるのではなく、あこがれや目的に向かって、懸命に学んでみてください。
成すべきこと、好きなこと、興味をもったことに、愚直に没頭してみてください。犀の角のように。きっとあなたは、近い将来、孤独の闇から小さな光を放つ、孤高の存在になっていることでしょう。
<TEXT/佛心宗大叢山福厳寺住職 大愚元勝>