現代人が抱く「孤独感」を手放す、4つのステップ。現役和尚が教える
徹底的に孤独と向き合うことのススメ
では、「孤独」という苦しみの原因は一体、何なのでしょうか。孤独の根本原因は、「他人や社会との関係をうまく結べないこと」にあります。自分の存在を、社会と切り離してとらえ、他者とのつながりを「苦手」として避けることによって、生きづらさを増強してしまう。
本当は他者との関わりを持ちたくても、上手く関係が結べない。だからといって、他者との関わりを避けて生きれば、孤独が募る。自分は周囲についていけない。自分は周囲から浮いている。自分は人からどう見られているんだろう。本当の自分を解って欲しい。でも、解ってくれる人などいない。
実は私も、10代から20代にかけて、心のどこかでそのような葛藤を抱えて悶ていた時期があります。けれども、お釈迦さまの言葉に勇気を得て、孤独を見つめるうちに、自分の「ありよう」の本質が見えるようになりました。そして、気がついたら、孤独感が薄らいでいきました。
その言葉とは、「犀(さい)の角のごとくただ独り歩め」という、修行者達に向けた教えです。『スッタニパータ』(『ブッダのことば』中村元訳・岩波文庫)には、「犀の角のごとくただ独り歩め」という言葉で終わる40もの韻文が記されています。
お釈迦さまが残した言葉3つ
ここに、3つほど紹介します。
・朋友・親友に憐れみをかけ、心がほだされると、おのが利を失う。親しみにはこの恐れあることを観察して、犀の角のごとくただ独り歩め。
・仲間の中におれば、休むにも、立つにも、行くにも、旅するにも、つねにひとに呼びかけられる。他人に従属しない独立自由をめざして、犀の角のごとくただ独り歩め。
・今のひとびとは自分の利益のために交わりを結び、また他人に奉仕する。今日、利益をめざさない友は、得難い。自分の利益のみを知る人間は、きたならしい。犀の角のごとくただ独り歩め。
どうでしょう。お釈迦さまは、俗世間を離れて孤独になった弟子たちに、孤独を味方につけて修行に励めと、激励したのです。